雑煮学事始(3)

秋田の正月料理
納豆汁
山形や岩手、秋田などでひろく親しまれる料理。地元湯沢市では地方料理 として知られる。基本的に正月料理として扱われるものではないが、我が家では 年末年始に決まって作られる。地域ごとの違いは主に以下の通り。
岩手: 納豆味噌スープを作った後、更に納豆を具材として追加する
山形: 納豆をペースト状にしたものを汁に入れる。また、1月7日の七草粥の代わりに納豆汁を食べる風習がある。郷土料理となっ ており、具の多い汁である
秋田県(院内・湯沢): 岩手と山形の中間的な仕上がり。豆が細かく砕ける程度にすり潰した納豆 を汁に溶き、具材はわらび等の山菜がふんだんに使われる。



雑煮
出汁は鶏ガラと椎茸の戻し汁で、醤油で味付けする。具材は鶏もも肉と椎茸、ナルト、ミツバ。東京の雑煮に近いと思われる。ただし、みりんは使わない。焼いた角餅を入れる。秋田の一部では納豆汁仕立てになるものや、 しょっつる(ハタハタを原料とした魚醤の1つ)を用いる。

氷頭なます
氷頭(ひず)とは鮭の鼻先の軟骨部分。氷のように透き通っていることからこの名がある。 ①生鮭あるいは新巻鮭の頭部を薄切りにし、②塩をして酢で洗い、③さらに酢につけてしばらく置いた後、④荒めに切って洗っておいた大根と合わせて、酢・砂糖・塩を合 わせた調味料で和えてなますとする。(Task)
