雑煮学事始(4)

内モンゴルのお正月料理
羊の丸焼き
まずは羊を屠る方法から説明します。最初に幼い羊を選び、横向きに四本の足を縛って倒し、羊の胸骨の5センチの所で切りあけ、そのまま手を入れて心臓を直接引っぱり抜きます。残酷なようですが、こうすることで羊の痛みやダメージが一番少なくなると思われています。同時に、羊の肉もおいしく、柔らかくなります。羊を締めるときびっくりさせないのが基本です。地域によって少々違いがあるかもしれませんが、ほとんどの牧場ではこういう方法を選んでいます。そして、地面に一滴の血も落とさずに別の部屋に運んで血を抜く作業をおこないます。もし、羊を締めるとき大きな出血があれば、羊の魂が消えてしまったとみなされるので、血を落とさず葬る文化がありました。

次に羊をきれいに洗い、内蔵を取り出して別のメニューに使います。日本のホルモン煮のような料理ですが、味付けは辛口です(↑)。一方、内臓を取り去った羊のおなかには香辛料をふりかけ、味付けをします。その後、外に運び、炭火で回しながら丸焼きします。焼く時間6時間ほどです。羊の丸焼きは、焼けば焼くほど味がでるという訳でもないので、火の加減がすごく大事です。誰でもできる丸焼きではないので、手間もかかり、ある程度慣れないと焼くのがとてもいそうです。
最後にできあがった丸焼きを台車にのせ、皆で切り分けて食べます。ただし、いただく前にみんな民族衣装を着て、儀式をおこないます。羊の丸焼きは毎日食べられるようなものではないので、たとえば結婚式やなにかのお祝いで食べます。お値段が少し高くて、およそ10万円はします。もし、本物の丸焼きを食べたいならば、モンゴルに来てください。

日常生活の乳製品
写真(↓)はモンゴル語で「チャガン・イデー」といいます。牛乳で作られたチーズのような食品です。具体的な作り方は私は詳しく知らないです。難しいと聞きましたが、今度ぜひ一度作って見たいと思います。 (嘎嘎嘎)
