稲常西尾家の調査(2)


残雪蝋梅
1月16日(水)、鳥取市河原町稲常にある西尾家住宅(旧河原町長宅)を訪問し、主屋の平面図の実測をさせていただきました。13時過ぎ、3年ゼミ生と院生は研究室に集まり、コンベックス・画板・方眼紙などの調査道具と先生が下さったおやつのプリッツをもって稲 常(いなつね)に向かいました。稲常は2年次だった2017年10月に人間環境実習・演習Aの町並みスケッチで訪問しています。久しぶりに来たなあ、という感じで した。


家主さんは外出されておりましたが、置き手紙が玄関の式台に置いてありまし た。製図には座敷の和テーブルを使ってください、などの指示があり、そこにいくと新聞紙までひいてくださっていて、家主さんのご厚意が感じられま した。さっそく調査を始めます。
外は雨がパラパラ降っており、気温はとても低く、寒さが身に染みる中、6名で分担して平面図を取って いきます。一年前のカフェ黒田での実習時と同様、学生は一人2~3部屋ずつ担当し、重ねあわせの部屋をところどころに設けて大学で図面をつなぎあわせることにしています。ただし、先生だけは裏側の広い範囲を今回も実測されました。久しぶりの平面実測で したので、懐かしい『民家のみかた 調べ方』をみながら平面図の描き方を思い出しての作業です。


↑↓ナンドと土蔵のつなぎ目



作業が一段落着いたところで休憩へ入りました。一人ひとり平面図を先生にチェックしていただき、指導を受けます。学生はみな自分の担当部分しか描き込んでいないので、部屋の相対的な位置がわかり難く、担当部分の周辺まで描いておくとよ いというアドバイスをいただきました。図面の重ねあわせのためには、まわりの柱や建具を少しでも描き足しておくほうがデスクワークがしやすくなる、とのことです。
上着など防寒対策はしっかりしてきたものの、床面の寒さは想像をはるかに超えており、足の裏が冷え切っていたところ、先生からカイロをいただきました (足の裏に張りました)。また、上海の星巴克「リザーブ ロースタリー」で仕入れたという保温ポットから暖かい中国茶を分けていただき、プリッツ を食べ、じんわり温まったので、後半の採寸に移りました。

学生は2班に分かれて採寸し、先生は建物内外の写真撮影と2階の平面実測を担当されました。巻尺とコンベックスを使って寸法を測ります。部屋の端から端まで巻尺を伸 ばして一気に記入すると誤差が小さくなるため、この方法で測りました。女子学生2名は建物正面側4部屋を測り、私を含む3名で建物奥側4部屋を測りま した。背面の廊下は畳部屋以上に寒く、次回は靴下をもう一枚持っ てこようと思いました。スリッパも効果があるかもしれません。

正面側を作業していたゼミ生2名は早めに採寸を終え、その上家主さん に感謝の置き手紙も書き終えてあり、自分の作業が遅いことを反省しました。西尾家住宅を出る際、綺麗な蝋梅が雨に濡れていてきらきら輝いていました。良いもの見れたなあと思い、稲常をあとにしました。
今回の実習での反省は、①平面図を早く描けるようにすること、②自分の担当部分周辺 の部屋も描き入れること(重ね合わせ易くする)、③採寸を手早く すること、でした。次につなげられるよう、見直しをきちんとしようと思います。 (八木部長)

