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BS11「歴史科学捜査班」再放送のお知らせ

再放送を視るコツ!?

 日本がカタールに圧倒されているアジア杯決勝の最中、深夜のガラケーにメールが飛び込んできた。BS11「歴史科学捜査班」の担当ディレクターからである。1月7日(月)に放送された「古代ミステリー 出雲大社 巨大神殿はあったのか?」 の放送が好評で、再放送が決まったそうである。「浅川さん部分も好評で」と書いてある。出演したわたしの感想はといえば、とりあえず着慣れないスーツ姿がさほど不自然でなく、デブにはみえなかったことに安堵した。番組の内容については、見るべき価値があったのは前半のみであり、後半の「出雲大社灯台説」以降は論外としか言いようがない。縄文時代の巨木信仰が平安まで継承されているなどという誇大(古代?)妄想の歴史観であり、青谷の楼観までもが巨木=高層の灯台だというが、青谷の部材は細いことが最大の特徴の一つであって、縄文の巨木とも平安の神殿とも無縁である。駒沢大学の教授によれば、出雲大社は縄文の巨木信仰をうけついだ海女族の灯台であり、 神門水海の汀線が今よりはるかに大社寄りにあったので船からよくみえたと主張している。この説に対して、ボーリングによって汀線を復元し、番組でコメントした地元の学芸員からは以下のメールを頂戴している。

   私への取材は、直接は古代における神門水海の状況についての聞き取りでした。
   御懸念のとおり、取材の中で、私見では、現在の出雲大社の位置は砂丘列の後背
   に当たり、少なくとも海から目立つ場所ではないと説明しましたが、その部分は
   生きていなかったようですね。

 実際そうしたコメントは消去されており、まるで「出雲大社灯台説」を裏付けるコメントのように使われていた。メディアとはこのような情報操作を平気でやってしまうものなのである。なお、制作会社から送られてきたDVDをゼミで学生にみせはしたのだが、後半は教育上好ましくないので割愛した。
 ただし、前半はそんなにわるくないですよ。八足門より内側の大社の風景は神聖な空気に溢れています。正月の放送をお見逃しの皆様はできれば再放送の前半のみご覧ください。以下、番組情報です。

 放送日時: 2019年2月17日(日)19:00~20:00(再放送)
 放送局: BS11
 番組タイトル: 歴史科学捜査班「古代ミステリー 出雲大社 巨大神殿はあったのか?」
 出演者: 宮本隆治(元NHKアナウンサー)他

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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