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救急車に乗って

抗ヒスタミン副作用

 私生活ではありますが、とんでもない10日間を過ごしていた。
 キプロスからの帰国直後に睡眠時無呼吸症候群の検査のため奈良で1泊検査入院したのだが、「がんばって眠ってください」と言われても、生活時間を一気に変えられるはずもなく、時差調整もおぼつかぬ不調な状態のまま、病院で一夜を過ごしたあたりから、咽喉に異変を感じ始めていた。子どものころから扁桃腺の腫れが持病になっていて、その予防も兼ねてホームドクターからいつも余分に鎮痛剤・抗生物質・風邪薬等をもらっている。ストックは十分あった。4月になって咽喉の症状がひどくなっていくので、ストックした薬をやたらと飲むようになっていった。
 4月4日(金)に入学式があり、翌5日に担任(チュータ)となった新入生との初顔合わせがあって、いったん奈良に戻った。咽喉の症状は納まったかにみえた。じっさい奈良で短時間の花見もした。しかし、長距離運転の疲労からか咽頭痛が再発し、薬を飲み続けた。あらゆる薬を飲んだ。
 4月8日(月)の朝、わたしの体に大きなブレーキがかかった。尿がでないのである。尿意は十分あって下腹が苦しい。歩くのもつらいような状態だったが、なんとかホームドクターに駆け込み、そこで救急車を呼んでもらって、近くの総合病院の泌尿器科に運び込まれた。専門医は涼しい顔で言う。

  「風邪薬の飲み過ぎですね」

 風邪薬に含まれる抗ヒスタミン剤は鼻水などが出るのを防ぐと同時に尿を出にくくしてしまうんだそうだ。33歳のとき胆石を患い胆嚢摘出の手術をするにあたって、排尿の管をさしいれた。それ以来の処置がただちにおこなわれ、じつに700ccの液体がビニール袋にあふれ出た。そして、管は金曜日までつけたままにすることが決まった。強力な磁石式のキャップがついている。
 翌9日(火)には「住まいと建築の歴史」(2年以上)の初講義がある。できれば休みたくない。車を運転できないほどの状態ではないので、家内を補助者としてゆっくり慎重に運転し帰鳥した。このとき咽頭痛はほぼ消えていたが、どういうわけか後頭部などに神経痛があり、これにも数日悩まされ続けた。一夜あけて大学へ行き、履修者が120名以上になることを知って慌てふためき、大急ぎで資料を複写した。なんとかガイダンス用の講義ができると信じていたが、まもなくトイレで異状が発生した。開始30分前、休講を決断した。翌10日(水)は初ゼミであり、昨夜その報告をしたが、個人的には雨天はラッキーだった。体内に管を通した状態での散歩や花見は・・・地獄でしかなかっただろう。


氷の微笑の内側

 帰国後から通院等の連続で、体調も芳しくなかったが、ソファに根を這ってカーリングを視ることが静養となった。女子の結果はキプロス出張中にネット情報で知っていたが、その録画がたっぷりたまっていた。ラウンドロビン(予選リーグ)終盤のスイス戦、スウェーデン戦の惜敗と中国戦の快勝。驚いたことに、中電は6勝6敗という冴えない成績ながら、同じ勝率のアメリカ、カナダをおさえてプレーオフに進出し、準々決勝ではロシアに快勝し、べスト4に勝ち上がったが、3位決定戦で韓国に敗れて4位となった。彼女たちのいまの実力で世界4位はちと出きすぎではなかろうか。アイスドールにみえた北川さんの心の動揺は相当なものであったろうと推察される。一方、ほぼライブで勝負を堪能した男子の場合、コンサドーレ札幌は同じ4位に終わったものの、世界の強豪の一チームに名乗りを上げる大会になった。問題はサードではないかな。平昌五輪に出場した軽井沢クラブから補強したものの、あそこで躓くシーンが少なからず見受けられた。あのポジションに、解説の両角兄をもってくればメダルも夢ではないだろうに・・・
 実際、男女とも、強いチームはスキップの経験者2~3人を含む混合体が当たり前になってきている。仲良しを集めてコミュニケーションを高めることはもとより大事なことだが、優勝チームの由来と構成を知るならば、仲良しだけでは勝てないという現実を受け入れざるをえないようにも思うのである。

管らぬこと
 
 11日(木)は「地域生活文化論」(3年以上)の初講義をなんとかこなした。資料のカゴをもってとぼとぼ歩くわたしをみかけた学生や教職員が声をかけてくれる。ありがたいことに、みな女子だった。わたしは困った・・・渋い顔をして口ごもりながら「近寄らない方がいいよ・・・泌尿器系なんだから」というと、ほんとにみんなぱぁっと離れていった。

 12日(金)、奈良の病院で脱管した。しばらく排水状態は良好ではなかった。そのため午後から予約していた眼科の診療をキャンセルして家で休養した。13日(土)にもういちど病院に行った。この段階ではかなり回復しており、午後からそこそこ元気になって、スタッドレス取り外しのためにガソリンスタンドを訪れたりした。

 ジジ管の装着は将来の自分を考えさせるモデルとなった。管の装着はさほどの苦痛ではないし、いったん装着すれば、違和感はあるが、便利でもある。しかし、二度と尻尾をつけたくない。その理由は男性ならご理解いただけるであろう。



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↑奈良では花見もしたんです(4月6日)

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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