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不丹 的 淺村先生

01新仮期01表紙


 香港から書籍小包が届いた。封筒の裏をみると、「新假日編輯部」と書いてある。
 今年一年をざっと振りかえることにしよう。持続的な観点からみるならば、摩尼寺「奥の院」遺跡の巨巌をめぐる活動が最も意義深く心身に刻みこまれているが、短期間の活動としては圧倒的にブータンの想い出が鮮烈な記憶のなかにあって、その映像は薄れてゆく気配をみせていない。ブータンは何もかも素晴らしかった。またあの国に行って、なにがしらかの研究活動をしたいという意を日々強くしている。加えて、香港のモデルさんが衝撃的だった。彼女と記者とカメラマンに囲まれながら農家の居間で談笑したこと、タクツァン僧院の頂で再開し、年甲斐もなく大はしゃぎして記念撮影したことなどが忘れられない。
 そのモデルさんを使った雑誌の特集号が届いたのだ。厳密にいうと、

    『新假日(New Holidays)』2012年11月5日号【通巻687号】

であり、70~98ページの大特集「ブータン(不丹)」に圧倒される。内容も多岐にわたり、われらがモデルさんは、当然のことながら主役級の扱いで紙面の各所に登場している。
 不肖、この私も、2ヶ所に出してもらっている。一つめは80頁(↓)。「雷龍の彼岸()」でとりあげた民家の居間で、みんながバター茶を飲みながら雑談している風景だ。通訳のウータンさんもはっきり映っている。

01新仮期05農家02浅村 01新仮期05農家01

 次に最後のほうの97頁(↓)。この写真はタクツォン僧院での記念撮影時のものだが、どういうわけか、ブータンの城塞を解説するページに掲載してあり、以下のコメントが吹き出しに書いてある。

   我研究蔵式建築十多年、一般不丹的都比較小巧的骰、造工也雖同西蔵比較;
   但Punakha城堡卻例外、由外形至瓦当雕飾很講究、拍得住拉薩寺廟。
                                 (大学講師 淺村先生)

 ちょっと訳してみましょう

   私はチベット式建築を十数年研究しています。一般的にブータンの建築はみな
   かなり小ぶりな躯体をしています。造作についてもチベットと比較すると(小振り
   で質素ですが)プナカ城塞だけは例外で、外観から軒瓦装飾に至るまでこだわって
   ラサの寺院をしっかり写しとっています。(大学教師 浅村先生)




01新仮期04城02浅村 01新仮期04城01

01新仮期03衣服up 01新仮期03衣服


 あのですね、私、こんな発言まったくしておりません。チベットに言ったことはありますが、チベット建築を十数年も研究しているなんてとんでもない。民家の構造については説明しましたが、お城の話なんか記者さんの前ではしていないんですよ。まぁメディアとはこういうものでして、最近日本ではこういうメディアの捏造記事が厳しく批判されるようになってきました。おまけに私の名前は「浅村先生」になっている。ちゃんと名刺交換して、書籍小包みの宛名は「浅川」なのに、雑誌では「浅村」なんだな(そういうえば6月の環境学フィールド演習では某女学生に「藤沼先生」と書かれていたな)。でもね、みんな許しちゃう。あのモデルさんが絡んでるんですからね、許さないわけありません。一緒に映っている写真が雑誌に掲載されているだけで嬉しいからね。

 というわけで、目出度い一日になりまして、さっそく鍋で乾杯!
 最近、平田産手作りの果実酒を毎夜飲んでおります。これは梅酒ですが、昨夜までは桑の実のお酒でした。驚いたことに、ノンアルコールのビールと割ってカクテルにすると抜群に美味しい。不味い0%ビアが和製カシスソーダに大変身します。生産者の平井さんに多謝!!


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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