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建国七十周年の新中国(一)

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五粮液の前夜祭

 11月8日(金)午後5時過ぎ、CA928便は一時間遅れて北京首都空港に着陸した。税関チェックを抜け、着陸ゲートをくぐると、中国文物研究所OGの張之平さんと楊新さんの出迎えに感激! いったい何年ぶりだろう。わたしが研究所にいたころ、文物研との交流が盛んであり、あれからすでに20年以上の歳月が流れていて、すでにお二人は文物研を退職されている。中国文物研究所という名の組織も今はなく、「中国文化遺産研究院」と改名されている。
 日本で接待した中国人の女性が口を揃えて言う科白がある。

  「あなたの奥さんはとても美しい人だった・・・どうしてるの?」 
  「彼女は脳の病で十年間闘病し、いまは軽度の身障者になってしまいました・・・」

 そう答えると、一様に驚いた顔になる。


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 空港からのびる高速道路を楊新さんが運転した。大型のスバルである。我がNboxの2倍以上の容積がある高級車だ。中国でも、ごく普通に女性が車を運転するようになった。豪華な車を。20年前なら考えられないことである。高速の渋滞はひどいものだった。二時間近くかけてようやく車は北京工業大学のキャンパス内にある建国飯店に到着した。
 同時に楊昌鳴教授があらわれた。30年前、ともに貴州や黒龍江の少数民族を調査した仲であり、かれがこのたび私を招聘したフィクサーなんだろう。そのままホテルの個室で夕食会になった(計7名)。豪勢な料理が円卓に並んだが、値段を聞くと、驚くほどではない。しかし美味、滋味・・・酒は五粮液。52°の白酒(パイチウ)を高杯のグラスでちびりちびり舐めた。北京料理にはよく合う、とくに烤鴨(北京ダック)には。


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 食事中何枚も記念撮影をして、場は盛り上がり、楊新さんからは『独楽寺観音閣』の修理工事報告書を頂戴した。その本だけでスーツケースの1/4が埋まってしまうほどの大著である。どうやって持って帰ろうか、悩んでいたところ、東京からおいでのSさん夫妻が大きなスーツケースで来ているので、もって帰りましょうとご提案くださり、そのお言葉に甘えることにした。
 解散して部屋に戻り、ベッドに横たわると、たちまち眠りに落ちた。その後、午前2時に目がさめて、こんどは眠れなくなってしまい、翌週に控えた中国科学技術史学会の準備を進めることにした。ところが、部屋でネットが通じない。IDもパスワードもあるのだけれども、中国内でもとくに北京は外国人に対するネット規制が厳しいみたいだ。翌日午後、ホテルの専門技師さんを呼んでも状況は改善しなかった。これは深刻な問題である。日本にいる中国内蒙古自治区の留学生、嘎嘎嘎さんと共同で次週のパワポ科白の中国語訳作業を進めていたからである。携帯ワイファイは必要不可欠であることを改めて思い知らされた。【続】


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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