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再訪ー蘇州古典園林(3)

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環秀山荘

 11月11日(月)。父の命日だ。昨夜契約した運転手と一日の行程を確認した。まずは環秀山荘からだというと、「あそこは小さくて有名じゃないから観光客は行きたがらない」と敬遠する。こちらにしてみれば、第1次評定(1997)4園のうちの一園であり、譲るわけにはいかない。どうやら環秀山荘の周辺に駐車場がないことがドライバーの躊躇する理由であるらしい。山荘のある景徳路の辻に車を停め、そこから結構歩いた。なんのことはない、この町並みこそが環秀山荘のバッファゾーンである。昨夜の宜多賓巷に似た白い風景がひろがっており、またしても懐かしさがこみあげてきた。


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 環秀山荘は唐~五代の銭氏金谷園の故地にあたる。宋代には文学者、朱長文の「楽圃」であり、明の万歴年間から大学士の住宅となり、清代は蒋楫、畢沅、孫士毅らの邸宅であった。嘉慶12年(1807)、園主の孫均が築山棟梁の戈裕良を招いて造園させ、道光年間に「環秀山荘」と改称した。別名「頤園」。1949年の解放時には荒廃しており、築山1ヶ所、池1ヶ所と補秋舫を残すのみとなっていた。1984~85年、蘇州市園林局と刺繍研究所から共同で出資して、「有谷堂」「環秀山荘」等の建築を再建し、植栽するなどして往時の園景を取り戻した。88年に全国重点文物保護単位。


https://baike.baidu.com/item/%E7%8E%AF%E7%A7%80%E5%B1%B1%E5%BA%84

http://www.e-asianmarket.com/suzhou/suzhou62.html

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 園景は築山(仮山)を主とし、池水がこれを補う。太湖石の扱いはとくに優れている。獅子林ほど太湖石の数は多くないが、質朴で重厚な趣があり、芸術性が高い。建築は少ない(敷地面積2,179㎡に対して建築面積754㎡)。この敷地は「蘇州刺繍博物館」に含まれ、堂宇の一部も展示等に活用されている。庭は小さいが、気の勢いが強く、中国人の自然観と人生観を映しだす華のようだと評されている。


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↑太湖石の築山。築山のなかに石橋、渓谷、洞穴を設けている。 ↓八仙卓
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芸圃

 文衙弄という路地裏(弄=巷)にある隠れた小園。もとは文震孟(文徵明の曾孫)の「薬圃(薬草菜園)」であった。清初に「芸圃」と改名。「敬亭山房」ともいう。いまも明末清初の旧貌をほぼ残す。艺圃は平面が南北に細長い長方形を呈し,敷地の総面積約3,300㎡、西半の庭院が1,300㎡。前(東)に住宅群を配す。庭の中央に池をうがち、左に太湖石の築山を築き上げて自然を感じさせ、右に建造物を集中させる手法は網師園に倣ったものと言われる。建築は主庁たる博雅堂とともに、水際の亭閣「乳魚亭」が有名。乳魚亭は明末の造営とされ、蘇州庭園内の建築としては最古級である。外観は平凡だが、内にはいると、彩色のある火打梁が目をひく。
https://baike.baidu.com/item/%E8%89%BA%E5%9C%83


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 住宅の家具とその配置にとても関心がある。とりわけ、八仙卓、茶机のまわりは見事なもので、これを日本で再現できぬものか。一方、バッファゾーンとなる文衙弄の町並みもよく残っており、なぜだかわからないが人が多くて活力があった。白壁べったりの外観ではなく、ところどころに板壁も露出してみえ、いっそう日本の町家に近い趣を感じさせる。


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1111-2芸圃02八仙卓03茶机sam 1111-2芸圃06バッファ01 1111-2芸圃06バッファ02 1111-2芸圃06バッファ04町家 1111-2芸圃01証明01


網師園

 網師園は蘇州の中型私邸庭園の代表作である。城壁薬門近くの十全街に位置する。もとは南宋の吏部侍郎、史正志が淳熙年间(1174-1189年)に造営した「万巻堂」の敷地であり、「漁隠」とも称した。清代乾隆年間(1970年前後)になって、光禄寺少卿の宋宗元がこの地を買って作庭した。晩年、漁師のように長閑に暮らしたいとの思いをこめて「網師園」と名づけ整備したという。乾隆末年には亭宇を増築し、“瞿园”とも俗称された。まとまりある住宅群と中型山水庭園の全体をよく保持している(面積約5,333㎡)。
https://baike.baidu.com/item/%E7%BD%91%E5%B8%88%E5%9B%AD


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 網師園は空間利用に無駄のないバランスのよい構成で、東部を住宅、中央部を主園、西部を内園(風園)とする。各ブロックで使用する石の種類を分けており、主園は黄石、園林では太湖石とする。主園は池水を中心として、周辺に亭閣をめぐらし、回廊で囲い込む。いわゆる閉合式水院である。春夏秋冬の植栽をちりばめ、朝・昼・晩の景色の変化を楽しむ。庭は坐して静観するに向いているとされる。1980年、ニューヨークのメトロポリタン・ミュージアムにわが師、陳従周先生の指導で出展した小庭「明軒」は網師園内園の三間堂「殿春簃」をモデルとしたものである。 【続】


【連載情報・関連サイト】
再訪ー蘇州古典園林
(1)第2次世界文化遺産評定
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2203.html
(2)怡園
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2204.html
(3)環秀山荘・芸圃・網師園
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2205.html
(4)上海蟹
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2208.html
(5)滄浪亭
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2209.html
(6)拙政園
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2210.html
(7)獅子林
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2211.html
(8)羅徳啓先生との再会~もう一度、上海へ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2212.html

囍来登記
(2)寒山寺・耦園
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1974.html


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↑主園 ↓茶机
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↓バッファゾーンなど
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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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