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スローフォワード(2)

開講に舵を切れ!

 オンラインのオンデマンド講義が始まって教員も学生も疲弊している。いちばんの原因は学内サーバーが圧迫され、VPNがつながり難くなっていることである。わたしはVPNを使っていないので、以下は学生からのアンケート結果によるが、平日の昼はまず繋がらないらしい。みな夜中か朝に講義資料をダウンロードして対応している。結果として昼夜逆転の傾向が著しくなっている。
 わたしは自分の授業を受講する学生たちに、学外サーバーやフリーメールを積極的に活用すべきだと指示している。情報漏洩などのリスクがあると雖も、別にたいした講義資料ではなく、すでに夥しい数の学生がパワポ自動スライドショー(ppsx)等をダウンロードしているわけで、これがどこにどれだけ拡散するか分からないし、たとえばユーチューブにアップされることだってありうるだろう。だからどうした!? 脆弱な学内サーバーを経由するからトラブルが頻発するのである。

 本心をさらに打ち明けるならば、学外サーバー活用の時期はすでに過ぎている。授業開講にむけて動くべきステージを迎えているのである。鳥取はそれが可能な数少ない自治体であろう。それだけウィルス感染のリスクは低い。全国的にみても、大阪府の吉村知事が連休までは「緊急事態」を強調し自粛を強く要請していたにも拘わらず、今は大きく開業に舵を切り称賛を集めているし、鳥取県の平井知事だって同じ方向を向いていると確信している。大学だけが躊躇している場合ではない。とくに本学では、4月には図書館や演習室を開放していたのに、GW明けから5月末まで全演習室を封鎖しており、どうしていつも行政の方針と逆転しているのか、理解に苦しむところがある。
 鳥取の病床数や迅速なPCR検査の対応力を考慮した場合、まずは①ゼミ・演習系から学内実施を再開し、②次に60人未満の講義を大講義室で開始する。その後、③徐々に履修生の数に応じて講義室での講義を再開する、という道筋が正しいように思うのである。もちろん授業を再開する場合、「新しい生活スタイル」には適応していなければならない。すなわち、
  1)マスクの着用
  2)ソーシャル・ディスタンスの維持
  3)換気・除菌の徹底
などである。こうした原則を維持するならば、たとえば大講義室での着席をチドリ配列にするなどの工夫をしておくならば、鳥取の大学において(小規模の)授業は可能だろうと思う。こうすれば、ゼミや一部の講義で通学する学生が増え、学内で楽にダウンロードができるので、同時に学外からのVPNも繋がりやすくなるだろう。唯一の心配は交通手段である。とくに三密になりがちなバス通学が気にかかる。これはもうスクールバスを増便するしかないのではないか。


サンキューカット

 ある講義レポートの感想欄に自分の経験を述べた上で、「先生は鳥取に来られてハプニングなどはありましたか? もしあれば教えていただきたいです!」という質問がありましてね。多忙を極め疲れ切ってはいましたが、その夜の最後のメールだったので、以下の(長い)返信をしたんです。

--
 わたしは鳥取出身なんですが、大学は京都、職場は奈良でした。奈良の職場からいまの大学に転勤してきてすぐのことだったんですが、サッカーの日本代表の試合が午後7時からあるというので、急いで下宿に帰ったんです。わたしは12歳から44歳までサッカーをやっていて、まぁサッカー狂です。帰宅して驚いたんですが、どのチャンネルをまわしてもサッカーをやっていない。朝日放送が映らないんですね。BSも未契約だった。あのときは、本当に驚きました。日本国内にあって日本代表戦がみられない地域があるなんて、本当に信じられませんでした。ここは日本ではない。そう思いました・・・・まもなく日本海ケーブルと契約して、朝日もBSも観られるようになりまして、矛盾は解決した次第です。
 普段は、何もない鳥取に不満は少なからずありましたが、このたびのコロナ禍では、鳥取に暮らしていて本当に良かったと思いましたよ。感染のリスクは少ないし、知事がしっかりしているので、PCR検査も迅速に受けられる。昨日は5ヶ月ぶりに床屋に行きました。関西では、ちょっと行く気になれません・・・
 奈良に戻ると危険でした。大阪からパチンコ集団が大挙おしかけてくるからです。奈良公園に外国人は多かったですしね・・・・あらら、長話になってしまいました。お休みなさい。
--

 というわけで5ヶ月ぶりに床屋に行きました。ネットで格安の理髪店を検索したところ、「サンキューカット」というチェーン店がずらりとあらわれた。カットのみ1,200円です。雨が降り始めた黄昏時、下宿から一番近い鳥取東店に行きました。健康ランドの敷地内にあります。すでに「新しい生活スタイル」に十分適応している。室内は広く、換気が行き届いているし、待合の座席は同方向で、1席ずつ空けるよう張り紙が座席に貼り付けてある。大学の講義室もこうすればよいではありませんか。坐ってはいけない座席には張り紙をしておくのです。さて、サンキューカットでは、理容師さんだけでなく、もちろん来客全員がマスクの着用を義務付けられます。理容師さんは、すでにマスク着用のお客さんの髪を切るスキルに慣れてきている。しかも散髪に必要な時間はわずか10分。安心して髪を切ってもらえました。こういう場合、シャンプーや髭剃りは不要ですね。時短がなにより。
 ちなみに、「サンキューカット」のサンキューは「ありがとう」だけでなく、「3Q」を意味するとのことです。3つのQとは、Quick(速さ)・Quality(品質)・Quest(追い求める)だというのですが、Questはちょっと難しいなぁ。Questionの動詞形か。このQだけ動詞というのも、どうしようもないか(ごめん)。こういう時期ですから、Quietness(静けさ)のほうがふさわしいかもしれませんね。


【連載情報】スローフォワード
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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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