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噂の茶室-盃彩亭

茶室01正面


魯班好みの二畳内坪

 こんにちは。お久しぶりになりました、お嬢です。
 8月4日(火)の卒論ゼミで、いまや伝説と化している噂の「廃材でつくる茶室」に行きました。この茶室は環境大学1期生~4期生がゼミ活動・卒論・プロジェクト研究の合同活動で一から作り上げました。セルフビルド&ゼロエミッションをテーマに、「材料は買ってはならない」というルールのもと、すべて廃棄物または貰い物(寄付して頂いたもの)で築かれています。2014年度のプロジェクト研究では本格的な修復もおこなわれており、この茶室で大々的な発表会兼茶会を催したそうです。我々四年生もゼミに入る前の「住まいと建築の歴史」講義で茶室の存在は知っており、いつか訪ねてみたいと思っていました。


茶室02内部


 カメラや飲み物を用意していざ裏山へ……ところが、茶室へ続く道の入口が完全に雑草で覆い尽くされており、どこから入ればいいのか全くわかりません。先生の勘を頼りに、草をかき分けて入山。トゲのある草木に邪魔されながらも斜面を降りると、茶室への山路が痕跡をとどめていました。茶室の前に着くまで木の葉に隠されて茶室の姿は一切見えなかったので、突然大きな建物があらわれて本当に驚きでした。
 想像以上に茶室は大きく、4年生のテンションは一気に上がりました。風雨などによって茶室の付近や内部は荒れていましたが、茶室の壁・床・屋根はしっかりとそのまま残っていました。2014年になした屋根・壁の防水処理が功を奏しているとのことです。
 この茶室は「盃彩亭」といい、二畳+内坪(一畳は土間)の魯班(ルパン)好みで、基礎には千代川の河原から集めてきた人頭大の石が組み上げられています。少し荒れていましたが、床の間・掛け軸・炉はそのまま残っており、先生が東南アジアやブータンでで仕入れてきたマニ車、ガルーダ、カウベル等のコレクションも健在でした。


0804ガルーダ01


 四年生が歓声を上げながら写真を撮っていると、まるで何でもないように先生が「それ、摩尼山で発掘した五輪塔」と、石(?)の塊を指さしました(↓)。「蹴ると悪運に見舞われるんだよ」と先生は朗らかに笑っていましたが、まさかそんな大事なものが山に転がっているとは思わない私達は、(蹴ったり乗ったりしなくてよかった……)と胸をなでおろしました。冷や冷やでした。


茶室03五輪塔



0804ガルーダ02背面


 茶室を初めて見た感想としては、本当に学生がこれを一から作り上げたのか…というものでした。講義のパワーポイントで写真を見ていたものの、実際に見てみると想像以上に大きく、造りもしっかりしています。工務店など地域の方々の協力があったと聞きますが、学生が主体となって建築していったと考えると、本当にすごいなぁと感動しました。今後、畳を交換したり、散らかったごみを片づけたりするなどの補修・清掃は必要ですが、少し手を加えればまだまだ使えそうです。レトロな竈もありますし、焼き芋や焼き野菜、いいなあ。月市くんは草が生い茂る菜園をみて「耕したい」と嬉しそうな顔で言っていました。
 少し壊れていましたが、炉や茶釜などの茶道具や、土間に入る躙口もあります。高校まで茶道を習っていたので、茶室の内部を見てとてもわくわくしました。
 茶室に白蛇が住み着いているという伝説を聞いていたのでドキドキしていたのですが、今回見た限りでは白蛇はいませんでした。床下にいるのでしょうか…。

 冷たい飲み物で少しだけお茶会をして大学に戻りました。ずっと行ってみたかった茶室に行くことができ、とても嬉しかったです。また行きたいです。(お嬢)


茶室04集合

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プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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