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ウシガエルの褌-夏の和歌二首

 残暑お見舞い申し上げます。
 オンライン講義も残りわずかになってきました。深夜の友はウシガエルです。夜になると、ぼぉ~ぼぉ~という鳴き声がうるさいぐらい聞こえてきます。最初は、本物の牛が鳴いているのかと思うほどでしたが、我らがアパートと隣のアパートの境界に結構幅広で深めの溝を発見。水草が繁茂しており、カエルの住処としては最高の環境なのだろうと納得した次第です(カエルの姿はみてません)。ウシガエルというのは、外来種の食用蟇のようですね。留学時代、福建・広東あたりでさんざん食べましたよ。

 ウシガエルのぼぉ~ぼぉ~という鳴き声は、窓を振動させながら室内に響きわたり、オンライン講義用のパワポにまでかすかに入り込んできており、なんとも長閑な講義資料となっております。私は、柄にもなく、それを歌にした。

 ウシガエル
    ぼぉぼぉと鳴く
 夜の窓
    求愛の声(ね)も
 ほどほどに
   
 ちょうどそのとき、最終講義のスペシャル・バージョンとして「寅さんの風景」を録音しつつあったのですが、第44作「寅次郎の告白」(鳥取篇1991)のDVDジャケットに、「いいか、恋というものはな、ほどほどに愛するということを覚えなきゃいけない」と書いてある。そうしなければ、恋は長続きしない、と寅さんは満男に諭す。しかし、若い二人にはそれができない・・・まぁ、これの返しの歌を詠んだわけです。


 じつは、遠距離恋愛中の少女にむけてのメッセージでもありました。真面目な学生なんだけど、ときどき忍者のように気配を消してしまいます。訊けば、幸せなほどだらだらとしていたと言う。その後、〆切を大幅に遅延してレポートを送ってきた。「来週からふんどし締めなおします!」との宣言をつけて。

  「褌してるんですか? 蟹にも褌があるんですよ。」

と問えば、少女は答える。

  「実は...していないです!(笑) 蟹はしてるんですか!!!!!!
  蟹に先を越されました。」

 そこでまた一首。

蟹の鰓
  緩めては締め
また緩め
  隙間に潜む
コロナ哉

 ところで、ここ二日間ばかり、ウシガエルの声が聞こえません。なにぶん、この熱さです。熱いからなのか、相思相愛の相手が見つかったからなのか分からないのですが、あのうるさいほどの鳴き声が已んでしまい、熱死したのか、あるいは腹上死したのか、とても心配している今日このごろです。

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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