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コロナ賛歌(1)

1003林泉寺03彼岸花01


 10月1日(木)、全面開講初回の講義等3コマを終えて帰宅すると、家内が長電話をしており、その話しぶりから義父の永眠を知った。これまで数度「危篤」の報せを受けたことがあり、うち3回は市立病院に入院した。各種抗生物質の点滴の結果、毎度驚異的な恢復をみせ、家内は下宿から毎日歩いて市立病院まで見舞いに通った。そうした労苦に報いるように、父はいつも快方に向かい、今回もそういう展開になるかもしれないと予想していたのだが、病院に運ばれないまま、ついに帰らぬ人となった。享年94歳。コロナが憎い。今年になってから、家内と私は一度も特養に見舞いにいけなかったのである。県内者でも特別の許可が必要だが、県外者は完全に門前払いである。施設側の心情は察してあまりある。だから、施設には感謝の気持ちしかない。コロナが憎い。


1003林泉寺02


 ただちに、葬儀場に向かう。4年以上介護でお世話になった特養の近くに新設された会場。到着すると、控室に棺が運びこまれており、義母と義姉夫婦がいた。わたしは弁当係を命じられた。清流茶屋にあるコンビニまで飛んでいったが、弁当系はソールドアウト。丼物を買いこんで急ぎ控室に戻る。食後、母と姉と家内は棺を安置した控室に残ることになり、私と義兄は帰宅した。


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 翌日の夕方から通夜に臨んだ。こういうとなんだが、ひさびさにまともな住職さんで良かったと思う。読経・説法いずれも簡にして要を得ている(大酒呑の風体はない)。1回めの供養(通夜の法要)の後、閑かになった。通夜や葬儀と言えば、亡き人を偲んで親族等関係者が一堂に会し、同窓会の如き趣きの食事会になるものだが、コロナの影響はここにも及んでいる。会食なし。関係者は弁当を頂戴し、三々五々食事をした。わびしいものである。わたしはこの夜も一人帰宅した。母と家内が棺の部屋で一夜をあかした。


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1003彼岸花03


 翌日10時半から告別式。予想よりもかなり多くの方が参列してくださったが、もちろん椅子席に連座することはできない。感染回避のため一席を隔てての着席を義務付けられている。そして、いなば霊場(火葬場)に同行するのは16名に限られた。マイクロバスも使えない。16名が自家用車に分乗して霊場に至る。読経のなか焼香し、母が着火ボタンを押す。お骨拾いまで1時間半ばかりあり、昼食となったが、ここでも弁当が配布され、控室で対面を避けながら食事をした。
 日本で二番目に感染者の少ない県の葬儀がこれだけストイックなのである。高齢者が多いこともあるだろうが、厳しいコロナ対策を体感することになった。もっと華々しく父を見送りたかった。しかし、「コロナ対策」の壁はここまで厚いのである。対して、大学はどうなのか。


1003津野01 1003津野03


 初めての対面講義を終え、わたしはその雰囲気を不気味に感じた。全員がマスクを着用しており、まるで白装束を纏う秘密結社の集会で講和しているような錯覚にとらわれる。反応を掴みにくい。頷いているのか、怪訝な顔をしているのか、そういうリアクションを察知できないのである。日本人ほど言葉を使わずに意志の疎通を図る民族はいない。身振り・手振り、とりわけ眼差しで相手の気持ちを推し量る。それができない。授業後、2名が挨拶に来てくれて、にこやかに談笑したが、会話に至るまで誰なのか分からなかった。こうした白装束の超寡黙な集団に接していると、感染の危険性については低くなりそうな気もするが、アパートなどでどのように生活しているかはわからない。このまま何も起こらず後期末を迎えることができることを祈るばかりだ・・・


1003津野02 P1020089昭和40年代の津野


【弔電】
訃報に接し、悲しみでいっぱいです。口数は少ないけれど、
芯がしっかりしていて、いつもとても優しいおじいちゃん。
お酒を飲んだときは、楽しそうでいつもより少しだけお喋りに
なりましたね。私たち孫を、色んなところに遊びに連れて行って
くれたことも、覚えています。私達をどんなに大切に思っていて
くれたか、いつも胸の中にあります。おじいちゃんのように、
優しく、力強く生きていきます。
天国から見守っていてください。
ありがとう、おじいちゃん。

《連載情報》コロナ賛歌
(1)http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-3058.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2285.html


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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