ブータン料理実験(2)-蕎麦食と家庭料理


ヒュンテ(蕎麦皮の餃子)
皆さん、こんにちは。天破活殺です。メリークリスマス!
12月23日(水)の続きを報告します。今回は、私の担当したそば粉で作る餃子ヒュンテ(hoenty)」を紹介します。前回述べたように、レシピはプナップ・ウゲン・ワンチュさんの料理本(2014)に従っています。原文と訳文を示します。
Ingredients(材料)
・Buckwheat flour(130 g)
・2 turnips
・1/2 bunch dried turnip leaves
・Cheese(2 ball/50 g)
・Butter(30 g)
・Black mustard seeds(zimtsi 50 g)
・ginger
・1 clove garlic
・3 tsp chilli powder
・1 tbsp wild pepper(Thingay)
・Walnut(optional, if mustard seeds are not available)
・Few stalks of spring onion
・Salt to taste
<日本語訳>
・ソバ粉(130 g)
・カブ2個
・乾燥したカブの葉1/2束
・チーズ(2個/50 g)
・バター(30 g)
・ブラックマスタードシード(zimtsi 50 g)
・ショウガ
・ニンニク1片
・チリパウダー大さじ1
・ワイルドペッパー大さじ1(Thingay)
・クルミ
(お好みで、マスタードシードがない場合)
・葉玉ねぎの茎少々
・味付けの塩


Preparation(準備)
Mix sweet buckwheat flour with water and knead it to make a dough. Then put it aside. Mince the turnip leaves and cook for about 25 minutes then strain them and put aside in a bowl. Chop ginger, garlic and spring onion. Mix these ingredients with the cooked turnip leaves. Then add cheese and grounded black mustard seeds, followed by chili powder, salt and wild pepper to your taste. Finally, pour heated butter over all the ingredients and blend together. Keep aside to cool.
<日本語訳>
甘蕎(日本にある甘い蕎麦:通常ブータンでは苦蕎を用いる)の粉を水と混ぜ、こねて生地を作ります。その生地をわきに置いておきます。カブの葉を細かく刻み、約25分間調理してから、濾してボウルに入れます。ショウガ、ニンニク、ネギをみじん切りにします。これらの材料を調理したカブの葉と混ぜます。そこに、チーズと挽いたブラックマスタードシードを加え、次にチリパウダー、塩、ワイルドペッパーを好みに合わせて加えます。最後に、加熱したバターを全ての材料に注ぎ、混ぜ合わせます。冷ますために、わきに置いておきます。



Final preparation(最終準備)
Roll dough into 2 mm and cut them into round shapes with dough cutter. Next, add a tbsp of the mixed ingredients into the round dough. Shape, fold or design the dough just like you would when making dumplings. After this, steam the hoentey for about 25 minutes.
<日本語訳>
生地を2mmに丸め、生地をカッターで丸く切ります。次に、丸い生地に大さじ1の具(餡)を加えます。餃子を作るときと同じように生地を折りたたみ、形をつくります。それから、約25分間ヒュンテを蒸します。
Note(メモ)
Hoentey is a speciality from Haa valley, usually made during the Lomba Celebration (Haa region’s New Year). For contemporary taste you can change the ingredients of the filling. You can also substitute buckwheat with any other flour. This dish is enjoyed as an appetizer with chilli paste or one can also enjoy it as an entire meal.
<日本語訳>
ヒュンテはハ渓谷(西ブータン山奥の地、標高2,500~3,000m。ブンタンと並ぶ蕎麦の産地として知られる)の名物で、通常、ロンバ祭り(ハ地域の年越し)で作られます。現代風にするために、具の材料を変えてもかまいません。また、ソバを他の粉に換えることもできます。この料理は、チリペーストと共に前菜として楽しんだり、正式の食事として楽しむこともできます。


予想以上の好評を博し、楽しい年末ゼミだった
そば粉で生地を作る行程にかなり手こずりました。レシピに水の量が記載してなく、目分量でいれてしまい、生地がかなり、ねばねばしていました。一般的な蕎麦を作る際は、小麦粉をつなぎとして入れていることが多いのですが、小麦粉はレシピに含まれておらず、10割そばと同じようになりました。なんとか、そば粉の量を調整しながら、餃子の皮にできる状態にしました。
ヒュンテの餡を作っている時は、使用する食材や調味料の組み合わせが特徴的で、どんな味になるか想像できませんでした。
皮を包むときも、うまくできず、6個作った中で、2個ぐらいしか綺麗に包むことができませんでした。
しかし、全調理工程が全て終わってみると、予想以上に見た目は良かったです。作っている時も、完成した後も、食べることのできるものなのか不安でした。調理の翌日、大学に持参し、ゼミで試食した際は、かなり好評で、安心しました。
私自身、餃子を皮から作る経験がなく、そのうえ、そば粉を使用したものだったので、正直しんどいなと思っていました。しかし、ゼミが終わってから、いい経験になったと感じました。他のブータン料理もおいしく、楽しい2020年最後のゼミでした。(天破活殺)


↑上の右側が赤米(教師担当)、左側が蕎麦餃子ヒュンテ(学生担当)。ヒュンテは皮がやや硬めではあったが、えも言われぬ妙味であり、シェフが作ったプロ味がした(教師コメント)。
《連載情報》ブータン料理実験-蕎麦食と家庭料理
0.二胡のホワイトクリスマス
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-3061.html
1.蕎麦粉のパンケーキ(クレ)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2319.html
2.ヒュンテ(蕎麦皮の餃子)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2320.html
3.エマダツィ(トマトと唐辛子のチーズ炒め)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2321.html
4.ケワダツィ(ジャガイモと唐辛子のチーズ炒め)
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