国英神社(1)-初詣


大イチョウと本殿・祈祷所
みなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
1月13日(水)、摩尼寺を後にしたASALAB一行は、わけあって河原町の国英神社を訪ねました。摩尼寺では、私たち以外の参拝者が3名いましたが、国英神社のほうは人影もなく、ここでも「密」を避けながら参拝することができました。人気(ひとけ)がないので、気をつけないと通りすぎてしまうような河川敷の道路沿いに境内があります。そういえば、「寅次郎の告白」の名場面として知られる八東川の堰堤がすぐ近くにありました。


河原町片山854番地の国英神社は歴史的にかなり重要な神社です。鳥居の脇には「鳥取市指定文化財 大イチョウ」の標柱があり、境内のシンボルともいえるイチョウの大木が立っています。鳥取市の天然記念物です。また、拝殿の軒先に吊るされていたという梵鐘(現在は県博所蔵)には「伯州久米郷長谷寺鐘」という14世紀の銘が記されており、倉吉の長谷寺の梵鐘を払い下げられたものとして注目されています。国英神社の創始年代はなお不詳ですが、倉吉の長谷寺が鎌倉時代に遡ることはこの梵鐘銘により明らかなのです。


建造物については、先生がいちど「国英神社」という記事を書かれています。本殿は全面扇垂木に台輪をもつ禅宗様の影響が見られ、細部は県指定「聖神社」に共通するところが少なくないようなので、江戸時代後期まで遡るかもしれません。ただし、本殿には近づきにくいので、以上の年代観はあくまで遠望しての推測です。絵様等がはっきりみえるのは祈祷所であり、こちらは19世紀前期ごろの虹梁や木鼻を残しています(↓)。





拝殿・幣殿・社務所
拝殿・幣殿・社務所は昭和戦後のものだと考えられます。一部に傷みも目立ち始めていますが、補修すれば十分継続的使用が可能な建物だと先生はおっしゃいました。本殿が銅板葺であるのに対し、拝殿は瓦葺でした。瓦葺の下地に粘土を使っているようですが、今の修理では、粘土を取り去り、瓦を針金でつないでいくとのことです。このやり方はそう難しいものではなく、銅板葺への葺き替えに比べれば安上がりで済むそうです。


拝殿-縁は劣化しているが修理で十分対応可能。床下はよく乾いている。




豆蔵人
国英神社参拝後、先生が事前に電話をして他にお客さんがいないことを確認してくださった上で、つまり「密」を排除した上で、珈琲豆専門店「豆蔵人」に行き、メキシコ産のオーガニックコーヒーをいただきました。じつはこの日、のんびり初詣三昧している間、大学と出版社の両方で結構な問題が発生していたようです。先生が戸外に出て電話で対応されている間、学生たちはメニューの中からチーズケーキを発見し、どうしても食べたくなり、電話を終えた先生に頼むと、困ったような顔をされましたが、「まぁ、正月だからな」ということで大盤振る舞いしてくださいました。鳥取最高と評判の珈琲はもちろんのこと、手作りチーズケーキもとても美味しかったです。
2021年、ゆったりとしたとてもよいスタートが切れたように思います。[小霞]


《連載情報》国英神社
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