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中国道蕎麦競べ(21)-井田農園

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 3月11日(木)、曇り後雨。メンテナンスのため蓮の鉢を倉吉に届ける必要があり、ついでに伯耆町にまで足を伸ばし、また蕎麦をたくった。めざすは伯耆町のそば処「井田農園」。先日学生と訪れた「八郷の里」は職場の知り合いが教えてくれた穴場であり、古民家再生という点では最良の素材であったが、ネットでさらに情報を集めたところ、「八郷の里」以上に高い評価を集めている蕎麦屋が2軒あることを知った。2軒とも、ミシュラン鳥取2019のミシュランプレート★に選ばれている。


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そば処「井田農園」
鳥取県西伯郡伯耆町吉長223-15
営業: 11時~15時(売切れ次第閉店) 水曜+第1・3木曜定休
軽量鉄骨・疑似木造  椅子座+小上げ座(40席)
星3.9 ★★★★☆

 前回と同じく、山陰道米子東インターで高速を下りた。そこから数キロ県道53号線を南に下ると平野部の道路沿いに定食屋風の建物があらわれる。ぽつんと一軒屋。新しい軽量鉄骨の建物なので、古風な「蕎麦屋」の匂いはしない。が、「そば」を印字した数本の旗が鯉のぼりの陣旗のように風にはためいてよく目立つ。木造でない蕎麦屋は、このシリーズでは初めてかもしれない。中に入ると、普通の和風食堂であり、椅子座と小上げを併用している。明らかに「和」を意識しているが、他の店舗で感じるような数奇・侘び・禅などへの意識はまったくない。聞けば、昭和の大衆食堂が閉店して、その家主さんから借家しているのだそうである。創業8年。7~8年前に開業したという蕎麦屋によく出会うような気がする。


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 女将さんに言われて気付いたのだが、小上げのガラス張りの窓の向こうに冠雪した大山の全景がみえる。なるほど、これか。この建物のオーナーは大山を借景としてインテリアに取り込むことを主題にして、この場所を選び、この建物の設計の軸としたのだろう。


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無骨なソバの実の味

 井田農園は蕎麦の「自家栽培・自家製粉・自家製麺」を売りにしている。蕎麦畑はフラワーパークに近い南部町にあるという。期待に胸を膨らませて大ざるを注文した。わたしの目がわるいだけなのかもしれないが、麺に蕎麦実の淡い緑色が残っているようにみえた。口にいれると、ごつごつざらざらした無骨な食感がある。記憶のなかで蘇ったのは奥出雲の「純そば一風庵」である。奥出雲の蕎麦にも、野太く無骨なざらざら感があった。井田農園の場合、余計な作為を省き、自家栽培の蕎麦がもつ本来の味をできるだけ素朴に表現しようとしているように思った。サイドメニューらしきメニューはほとんどない。昼のそば定食(セット)に炊き込みご飯がつくぐらいのものであり、この日はピーナッツ入りの飯であった。
 外観は普通の大衆食堂のようだが、実際は蕎麦の専門店であり、定番の天ぷら蕎麦やとろろ蕎麦などはあるけれども、ともかく蕎麦本来の味で勝負しており、ミシュランプレート★にもおおいに納得した次第である。もう一つのミシュランプレート★のお店にも立ち寄ろうかとも思ったが、なにぶん肥満が重症化しているという自覚があり、次回にまわすことにした。それというのも、山陰道が整備され、鳥取から大山まで一時間と少々で来訪できるようになったからである。大山は鳥取市居住者にとって、ますます気楽なマイクロツーリズムの観光地になってきている。 


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《連載情報》中国道蕎麦競べ
(1)安来「まつうら」
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-3057.html
(2)新見「やな木」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2275.html
(3)勝山「一心庵」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2276.html
(4)津山城東とうふ茶屋
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2277.html
(5)美作滝尾駅-木楽
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2278.html
(6)床瀬そば
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2279.html
(7)高中そば-名草神社三重塔
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2280.html
(8)EN-ナマステ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2281.html
(9)談山神社-橘-きみなみ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2282.html
(10)宇陀「一如庵」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2283.html
(11)再訪-ひむろ蕎麦
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2308.html
(12)そば切りたかや インタビュー
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2302.html
(13)走馬観花-平福宿の「瓜生原」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2304.html
(14)「みちくさの駅」ゼミナール
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2305.html
(15)再訪-床瀬そば
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2322.html
(16)そば処「伊とう」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2328.html
(17)そばの店「右衛門五郎」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2329.html
(18)蕎麦と旬のお料理「ろあん松田」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2333.html
(19)摩尼寺門前 門脇茶屋
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2335.html
(20)八郷の里の猫
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2366.html
(21)そば処「井田農園」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2377.html
(22)そば処「みのり」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2379.html

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Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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