山寺門前の茶そば -1年生と摩尼山へ


象のいる本堂
11月4日(水)、鳥取市覚寺に境内を構える摩尼寺とその門前の門脇茶屋を訪れた。まさに「山中」と言える場所にある。着いたらまず、茶屋の奥にある広いお部屋に案内してもらい、いろいろお話をうかがった。この店は山菜料理の茶屋で、割烹風の定食が有名だが、一品料理で有名なのは柚溝のこんにゃく田楽と茶蕎麦である。前者は串刺しにされたこんにゃくに、甘くて柚の入ったお味噌がたくさんかかっている。お味噌が甘いながらも柚の風味がしてさっぱりしている。このメニューは、お持ち帰りもできるため、お土産に買って帰ると喜ばれること間違いなし。茶蕎麦は鰹出汁に、きれいな緑色の細い茶蕎麦が入っており、その上には一枚のヨモギの天ぷらがのっている。お出汁がとても透き通っているため、見た目がきれいなお蕎麦である。予想以上に、抹茶の香りや味が強いという。普通のお蕎麦とはかなり違った印象を受けたが、いつものお蕎麦よりも日本を感じる古風な感じがして、とてもよい。畳座敷からは、美しい自然を眺めることができた。渡り廊下には絵が飾られていたり、玄関には様々な人形や小さい家の置物など、食以外にも魅力的なものがたくさんあるお店であった。

茶屋の調査を終え、摩尼寺の参道を駆け上がった。茶屋から境内に上がるまでの階段は、とてつもないくらい段数がある。本当に疲れたが、登り切った時の達成感がすごかった。途中にある任王門は、県の保護文化財に指定されている貴重な門で、初層の左右には金剛力士像が安置されていた。迫力があった。二階建で、帰り時には頭をぶつけないよう慎重に2階まで上り、写真を撮った。門の上層に上るのは初めての経験だった。上るとき少し足がすくんだが、上り切った後に見ることができる、木々に囲まれた長い階段は美しかった。お寺には、私たちのほかにも大きな犬を連れた夫婦がおられた。とても気さくな方々で、少しお話ができてよい気持ちになった。お寺の住職(代理)もとても優しくて親切な方で、私たちを笑顔で出迎えてくださった。
決して派手なお寺ではなく、静かで、いるだけで心が安らぐような場所だった。本堂は、細部まで丁寧に彫られている彫刻がされていた。ここでお参りをした後、しばらく敷地内を歩いた。閻魔様がおられる閻魔堂を覗くと、閻魔大王が堂々と座られており、その迫力に圧倒された。奥の方に行くと、また石段があった。そこを上ると、第二の本堂ともいわれる善行寺阿弥陀如来堂があった。こちらも、象の彫刻など珍しい動物が彫られていて、よく見れば見るほどもっと詳しく知りたいと思うような建物であった。一つ一つの建物ももちろん素晴らしいが、何といっても、周りの美しい自然が織りなす静けさの中にお寺があるというところが、他のお寺にはない素晴らしい魅力だと思った。特に紅葉のシーズンはおすすめである。プライベートでも、心を落ち着かせたい時などに訪れたいと思う。(1年SR)



住職が宮城の同じ中学校卒業で・・・
11月4日ははじめに摩尼寺門前の門脇茶屋を訪れ、一品料理売れ筋の茶蕎麦と味噌田楽についてお話をうかがい、手分けして内装や外観・風景の撮影をした。味噌田楽は柚の風味があって爽やか、茶そばは香りがよい。香りや風味が工夫されていることは食材が制限される精進料理の苦心なのだろうと思った。私は内装のグループで座敷や土間(売店)などの写真を撮影した。
門脇茶屋は、出汁に鰹節を使ったり、イワナ料理を提供するので、厳密には精進料理の店ではなく、山菜料理の茶屋ではあるけれども、山林寺院の門前に精進料理系の蕎麦屋があるということが山間部の蕎麦のフードスケープという観点で重要であるという。

その後、参道を上り、本堂を参拝した。参拝した後は境内の建物の解説を聞き、境内の写真を撮影した。住職(代理)の方にもお話を聞かせていただいた。実際に摩尼寺の参道を上る時は自分の体力のなさを痛感した。少し上ると立派な仁王門がある。この仁王門は江戸時代(18世紀後半)のものらしく、こんなに古い建物は中々拝むことはできないので貴重な体験となった。境内に入ると立派な本堂と阿弥陀如来堂があった。手水をして参拝する時は僧侶の方に教えていただくまでずっと頭の中で「南無妙法蓮華」と思っていたが違った。唱える言葉はサンスクリット語であるらしく、普段サンスクリット語なんて耳にすることはないため新鮮だった。境内の写真を撮っているとき本堂向拝の木鼻に象が彫られていることに気づいた。これは珍しいのだろうか。他の寺院にどんなものが彫られているのかを知らないためなんとも言いようがないが、獅子や龍に混じって象がいるのが新鮮であった。とても興味深かかった。また、ご住職がなんと同じ宮城県出身で中学校が同じだった。世間は狭いなと思う。
今回の体験は大変面白かった。寺社を見ているのは楽しい。今回の体験から蕎麦屋と寺院の関係を考えて、今後の活動に生かしたい。(1年TH)
