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みちくさの駅 ゼミナール(2)

20211111みちくさの駅(P4)01遠景02渓流01


蕎麦に徹底したグルテンフリーの山小屋カフェ

 「みちくさの駅」は、鳥取県八頭郡智頭町の鳥取自動車道・福原パーキングエリアの隣に位置している。福原パーキングエリアは無人である。周辺は智頭杉林に囲まれており、傍らには千代川上流の智頭川の源流が流れている。建物は山小屋のようであり、智頭杉など地産の木材が使われている。店主の藤原さんが自ら設計された。
 藤原さんは関西の建設会社に勤められていたが、地元である智頭町を活性化させたいとの思いから、52歳の時にUターンされた。地元の木材を使った木工製品を手掛けながら畑で野菜やそばの実を栽培されており、Uターン当初は蕎麦を提供すると思っていなかったそうだ。畑が年々大きくなり、木工よりも主になってくると、「作ったはいいが、できたものをどうしよう?」という状態になり、地元の人にお店を構える気はないか訊ねて回ったところ、誰も構えようとはしなかった。そこで藤原さんは「無いなら自分で作ろう」と、道の駅のように人が立ち寄ることのできる「みちくさの駅」を建てられたそうだ。


20211111みちくさの駅(P4)02内部02講義風景01


 店内に入るとパンフレットや木工製品が並べられており、道の駅のような雰囲気である。2階のアトリエのような空間にも木工製品が並べられている。奥には飲食スペースが構えられており、窓からは智頭杉林を眺められる。また壁沿いにピアノが置かれており、カフェの雰囲気が漂っている。席はカウンター3席と8人がけの大テーブル、4人がけの小テーブルが設けられている。器には愛媛の陶磁器「砥部焼」を使っており、選ばれた所以はテレビでたまたま砥部焼の映像が流れていて、「これにしよう」と思ったから。


みちくさ松田02 みちくさ松田03 みちくさ松田04



 蕎麦は、コシがあり蕎麦の実の香りも充分味わうことができるものだった。そばがきを初めて口にしたが、食感は里芋のようにねっとりとしており、蕎麦の実の香りがした。半ごろし餅という、米を半分すりつぶし自家製のエゴマみそを塗って炭火で焼いたものも看板商品として人気がある。メニューの表紙は蕎麦についての基礎的な説明があり、裏面では紅茶やしそor梅ジュース、そば粉ワッフル、そば粉ガレットなどカフェメニューが紹介してあった。蕎麦屋ではなく「そばカフェ」にした所以としては、「蕎麦屋だと若者に引き継いでもらうには重く感じてしまうが、カフェだと継いでもらえると思ったから」だそうだ。また蕎麦ワッフルなどのスイーツに関しては「他の所は知名度で売れている所もあるけれど、ウチ(みちくさの駅)は蕎麦に徹底して小麦粉を一切使わないグルテンフリーを売りにしよう」と思ったからだそうである。個人的に内装の雰囲気が気に入ったのでまた行きたい。(2年MM)


20211111みちくさの駅(P4)外観


新しいことを始めるのに年齢は関係ない

 みちくさの駅周辺は山で囲まれており、近くに川が流れる自然豊かな場所である。自動車道のすぐ近くに隣接しているため、車で訪れやすく、気軽に立ち寄れる場所である。建物の外観はログハウスのようで、暗めの木を使いシックで落ち着いた雰囲気になっている。屋根は冬に雪が積もることを考えて、積もった雪が落ちていくように設計されている。内観は、木の色味をそのままに、外観の色とは対照的な明るい雰囲気になっている。見た目だけではなく、実際に木の香りもしてリラックス効果があるなと思った。そばカフェのスペースには窓が多く設置されており、外の明るさがそのまま店内に入ってきていた。夕方の時間帯でも暗くはなく、外の光によって店内が明るくなっているなと思った。店内にある椅子や机もご主人の手作りで、丸みがあり暖かい印象を受けた。建物の一階では、そばカフェとお土産置き場があり、地元の特産品や手作りのお菓子などが並べられていた。パンフレットやチラシも置かれており、道の駅として地域の情報発信源としての役割も担っている。ほかにも葉っぱ型のコースターや日常使いできそうな品も取りそろえられており、立ち寄った人がついつい買いたくなるような珍しい商品が多くあった。二階では、木工品づくりが得意なご主人が手作りした、木のキーホルダーや椅子などが販売されていた。木工品が置かれているため、二階に上がるとより木の香りが強かった。


20211111みちくさの駅(P4)02内部03ロフトへ01


 そばカフェ「みちくさの駅」は、"おいしいそばが食べられるカフェ"をコンセプトにしている。お皿には愛媛県の砥部焼を使用し、そばを食べる横で紅茶を飲んでいても違和感がないようなお皿を選んだという。そばが盛られていたお皿もはっきりとした白ではなく、少しくすんだ感じのオフホワイトでやわらかい印象を受けた。このように優しい色を使用することで料理を引き立てることができる。地元(鳥取)にもいい陶器はあるが、そばカフェの雰囲気に合うものを選んで使っているため、砥部焼を使用しているそうだ。「人が集まれる場所がないなら作ろう」というご主人の思いから建てられたのが「みちくさの駅」である。ご主人の話を聞いて、新しいことを始めるのに年齢は関係ないと思った。(2年YM)


20211111みちくさの駅(P4)03ガレット01 ガレット

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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