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行基縁りの地を往く (5) - 土塔と八角円堂

玄奘塔(3) 玄奘塔内部


 12月22日(水)、年内最後の合同ゼミの日ですが、今日も卒論の中間発表会がおこなわれました。トップは私で、昨日の続きを発表しましたが、先生からのコメントはかなり厳しいものでした。まだ60点いくかどうか微妙なラインとのことであり、全員が90点以上をめざしてほしいと激励されました。そういえば、昨日はゼミ中にOBのノビタさん、今日はオンライン講義であまり大学に来なくなった会長さんが顔を出されました。以下も連載の続きです。(小霞)

薬師寺玄奘三蔵院玄奘塔

 インドから大量の仏典を持ち帰り漢訳した玄奘三蔵(602-664)の遺徳を讃えるため、薬師寺に造営された分院。玄奘の思想は弟子の慈恩大師により「法相宗」として大成し、遣唐留学僧の道昭により日本に招来された。行基は道昭に学んだとされるが、初期の文献には両者を関係づける記載がないという。薬師寺は平成3年(1991)に玄奘三蔵院伽藍を建立した。設計監理は伊藤平左ェ門建築事務所、棟梁を西岡常一が務めた。中央の玄奘塔(八角円堂)には玄奘頂骨の分骨を収める。裳階を伴う特殊な八角堂である。薬師寺の場合、東塔に裳階がつき、金堂等の建物跡にも裳階の痕跡が残っているので、八角堂にも裳階をつけたものと思われる。法隆寺東院夢殿・西円堂、栄山寺八角堂、興福寺北円堂・南円堂の八角堂は裳階のない平屋建だが、裳階付きの玄奘塔はそれら以上に豪壮華麗にみえる(周礼考工記にいう「四阿重屋」の一種?)。現代建築ではあるけれども、土庇状裳階を伴う菅原遺跡円堂の類例としておおいに参考にすべきと考える。


玄奘塔 玄奘塔天井


 以下に玄奘塔の建築年代・構造形式・細部を示す。

〈構造形式〉 八角円堂一重裳階付
〈年代〉 平成3年(1991)
〈基礎〉 基壇壇上積 礎石建  
〈軸部〉 入側は四本柱、側は八本柱。柱は八角形断面。
  柱間装置:四面に板扉、その他四面に連子窓 擬宝珠高欄あり。
〈軒〉 出三斗? 中備 間斗束 二軒角垂木(地円飛方)
〈裳階〉 基壇端に礎石建 八角柱 出三斗 中備 間斗束 一軒角垂木
〈内部〉 大川呈一氏作の玄奘三蔵訳経像と共に、玄奘三蔵の頂骨を祀る。


玄奘塔(2) 玄奘塔調書



【関係サイト】
行基縁りの地を往く-土塔と八角円堂
(1) 法隆寺東院夢殿
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2468.html
(2) 栄山寺八角堂 
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2473.html
(3) 法隆寺西円堂
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2474.html
(4) 興福寺北円堂・南円堂
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2475.html
(5) 薬師寺玄奘三蔵院玄奘塔
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2477.html
(6)記者発表と報道
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2491.html

復元検討web会議(第1回)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2415.html
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復元検討web会議(第3回)
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復元検討web会議(第4回)
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行基の長岡院-菅原遺跡訪問記
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2414.html
栄山寺八角堂
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2417.html
広隆寺から興福寺へ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2423.html
奈良新聞の報道(菅原遺跡)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2429.html
法隆寺西円堂・夢殿と喜光寺
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2436.html

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Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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