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一瀬由梨落涙

麻雀最強戦ファイナル

 サッカー観戦後の12月12日(日)深夜、私は十年に一度ほどしか味わえない感動に涙した。それは、サッカー日本代表が初めてワールドカップ出場を決めたときほどの感涙であった。麻雀最強戦の大ラス(南4局)で信じがたい大逆転を目の当たりにしたのである。全国名うてのアマ・プロが結集した大激戦を勝ち抜き、この日後半のファイナルに進んだのは醍醐大(最高位戦)、宮内こずえ(連盟)、瀬戸熊直樹(連盟)、一瀬由梨(連盟)の4名。一瀬由梨さんは若手女子プロの予選を勝ち抜いた新人(プロ4年め)だが、普段はシステム・エンジニアリングの仕事をしている。驚いたことに、出身は鳥取県だというが、一瀬(いちのせ)などという苗字が県内にあるとはとても思えない。要するに、芸名である。今は、お母様と一緒に鎌倉にお住まいらしい。
 今大会の快進撃は凄まじいもので、ファイナルの第1ステージでは、3位の場から役満の国士無双を和了り、首位に躍り出ている。放銃した相手は、元最高位の鈴木大介(プロ棋士)。鈴木のような実力者でも、先行リーチをかけていたので一瀬の役満を防ぐ術がなかった。


市瀬01


 鳥取県出身の美女雀士がその年の最強を決めるトーナメントのファイナルに残ったのはまことに誇らしいことではないか。今年は予選から女性の活躍が目立ち、セミファイナルの終了直前まで決勝卓に進むのは男子1名、女子3名になると思われたが、ぎりぎりのところで、最近「落ち目」と自虐する瀬戸熊(元鳳凰位)が滑り込み、男女2対2の構図となった。瀬戸熊は決勝に残った唯一のMリーガである。
 決勝でも、女性が先行し優位に立った。前半は均衡していたが、南二局から宮内が抜け出し、南四局1本場終了の段階で、トップ宮内(46,400点)、2位瀬戸熊(27,400点)、3位一瀬(15,900点)と続く。ラスの醍醐は1万点を切っており、すでに親も流れているので首位は絶望の状況。北家の市瀬は点差は大きいが、親の連荘で首位を脅かす可能性はあった。2位の瀬戸熊は、トップから2万点近く離されており、「倍自摸・跳直(ばいつも・はねちょく)」の厳しい条件が課されていた。だれもが宮内の初戴冠を信じて疑わなかった。
 異変は南四局1本場から始まった。一瀬がハンカチを取り出して静かに泣き始めたのである。えっ、なんで・・・と思っていると、まもなく宮内も涙目になっていく。決勝の雀卓はすでに表現しようのない磁場に支配され始めていたのだろう。最終局、宮内はハナから降りていた。自ら瀬戸熊に跳満を振り込む「跳直」さえ避ければ最強位になれる。誰だってそう思うだろう。サッカーで言えば、アディショナル・タイムのボールまわしをすればよいだけの状況であった。
 一方、瀬戸熊は諦めていなかった。倍自摸(倍満のツモ上がり)をクリアするための条件を考え尽くすしかない。配牌は良いとは言えないが、ドラが2枚ある。それは3枚に増え、4枚になり、カンして他家にさらされた。カンドラこそのらなかったものの、裏ドラは1枚から2枚に増えている。このころから、宮内の顔は恐怖におののき始める。瀬戸熊はタンヤオの役もつける。そうこうしていると、親の一瀬がリーチ。相変わらず感涙している。待ちは5・8萬。瀬戸熊は無筋の牌を切って前に進む。そして、テンパイ即リーチ。上がり牌は一瀬とオナテンである。さて、どちらが自摸るか。


市瀬02


 瀬戸熊はこの段階で、リーチ・タンヤオ・ドラ4の6翻。即自摸ならば8翻となって「倍自摸」の条件をクリアできる。しかし、まず即が消えた。以後、和了牌を自摸っても7翻。裏ドラにかけるしかない。その次順、瀬戸熊は八萬を自摸り、裏ドラを2枚のせて大逆転の初戴冠を果たした。

 そこから先、会場にいる関係者の八割は泣いていた。いい年をしたおじさま司会者たちが司会をできない状況に陥ってしまったのである。この場面は動画を視ていただくしかありません。Abemaで視れます。麻雀は凄いゲームだ。ワールドカップに負けない感動がある。


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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