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五度目の大杉(1)

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ブータン料理で交流

 12月18~19日、兵庫県養父市大屋町の重伝建「大杉」で住民と交流する演習を行いました。会場は3階建養蚕古民家を活用した民宿「いろり」です。演習内容はプナップ・ウゲン・ワンチュクの『本物のブータン料理本(Authentic BHUTANESE COOKBOOK)』(2014)で紹介されているブータン料理(とくに蕎麦料理)を集落の方々に振る舞いながら、過疎地の町並み保存について意見交換するというものです。
 メインテーブルに並べた料理を各自が取り分けるビュッフェ方式で計7品の料理を用意しました。その7品はプタ、クレ、エマダツィ、ケワダツィ、ヒュンテ、モモ、赤米で、そのうちヒュンテとモモは他とは違い調理時間を考慮し事前に鳥取の下宿で作りました。
 以下は『本物のブータン料理本』に記されたレシピですが、ゼミの先輩方(現4年生)が昨年末に試作された5品については、サイトを示し、レシピを割愛させていただきます。


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1.蕎麦粉のパンケーキ(クレ)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2319.html
2.ヒュンテ(蕎麦皮の餃子)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2320.html
3.エマダツィ(トマトと唐辛子のチーズ炒め)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2321.html
4.ケワダツィ(ジャガイモと唐辛子のチーズ炒め)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2323.html
5.モモ(ブータン餃子)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2327.html
日本のなかのブータン(5)-ブータン蕎麦粉でクレ試作
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2354.html


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左から料理本のエマダッツィ(唐辛子のチーズ炒め)、同(ゼミ生作成)、ケワダッツィ(ジャガイモのチーズ炒め)、餃子(左:蕎麦皮、右:小麦皮)
 
 プタ(蕎麦麺)については、レシピの押出し麺の制作が困難であり、昨年は断念しましたが、今年は秋に先生たちが佛子園で大量に乾麺を購入されており、それを活用しました。ヒュンテとクレに使った蕎麦粉も、もちろん佛子園で調達したブータン産甘蕎です。まずは料理本のレシピ(2014:pp.14-15)を紹介しておきます。

Puta プタ (Buckwheat Noodles) (蕎麦)
《Ingredients (材料)》
Buckwheat flour 300 g   1 tsp chilli powder   3 eggs
"1" ⁄"4" " " tsp Thingay (wild pepper)   2 tbsp oil (preferably use mustard oil)
½ tsp salt   2 bunch spring onion or leek
〈日本語訳〉
そば粉300g   チリパウダー小さじ1   卵3個
ワイルドペッパー(シンゲ)小さじ1/4   オイル大さじ2(できればマスタードオイルを使用)
塩小さじ1/2   青ネギ(またはニラネギ)2束
《Preparation (調理)》
Mix buckwheat flour with warm water and knead thoroughly to make the dough soft. Run the dough through a traditional wooden noodle press (puta-par). Cook the noodles in boiling water for 5 minutes. After the noodles are cooked, drain the water and rinse with cold water. Rinsing in cold water makes the noodles firm. For the additives, heat the mustard oil and remove from heat before it bolls. Immediately add salt, chiili powder and Thingay to the hot oil. Pour the hot oil mixture over the noodles. Fry the eggs with chopped spring onions and add to the noodles. Puta is a specialty of the Bumthang region. One will not miss it if you are a guest of Bumthaps or happen to be a part of their celebrations. Most people prefer the dough that is made from sweet buckwheat. You can make puta contemporary by changing the additives.


1218ブータン料理05餃子(料理本)
↑料理本の蕎麦皮餃子(ヒュンテ)


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左:ゼミ生調理のプタ 右:料理本のプタ


〈日本語訳〉
 そば粉をぬるま湯と混ぜ、よくこねて生地を柔らかくします。伝統的な木製の押出し麺器(puta-par)に生地を通します。麺を沸騰したお湯で5分煮ます。麺の調理を終えたら、水を切り、冷水ですすいでください。冷水で洗うと麺が固くなります。調味料については、マスタードオイルを加熱し、沸騰する前に火から下ろします。すぐに塩、チリパウダー、ワイルドペッパー(シンゲ)を熱い油に加えます。麺の上に調味料を混ぜた熱いオイルをかけます。刻んだネギで卵を炒め、麺に加えます。プタはブンタン地方の名物です。あなたがブンタン人のお客であるとか、たまたま彼らの祭りに参加したのならば、プタを食さないということはないでしょう。ほとんどの人は甘蕎から作られた麺を好みます。調味料を変えることで、プタを現代的にすることができます。


1218いろり01会食04ディッシュ01 1218いろり01会食02記念撮影


 ブータン料理で使われている材料は日本のスーパー等で集めることが難しく、現地で使用される唐辛子は日本の唐辛子と比較にならないぐらい大きいそうで、いくつかレシピと異なる材料で代用しました。また、先行してブータン料理を試作したP2・P4での活動結果からモモの(餃子)皮は今回市販のものを使いました。ブータンの唐辛子は見た目をピーマンやパプリカ、味は鷹の爪で代用。プタの蕎麦麺に関しては、先述のとおり、佛子園で購入した乾麺を使用しました。


1218いろり01会食03ビュッフェ


 今回の演習での心配事はヒュンテ(蕎麦皮餃子)の皮と、料理全般の味の2点です。私はヒュンテを担当することになり、じつは一度ヒュンテの皮作りにチャレンジしてみたのです(中身は普通の餃子と一緒のもの)。レシピにそば粉と水の割合が書いてなく、混ぜている時の感覚を頼りに調理し、案の定失敗しました。水の分量が多かったのです。粘り気が強く広げるのに一苦労し、厚さが市販の餃子の皮20枚分ほどになりました。調理当日(12月18日)は水も多すぎず、練習時の半分の厚さにまで薄くすることができ、前回の失敗から打ち粉をしたことも上手く生地を伸ばせた理由だと思っています。


1218いろり01会食10牡蠣 サロマ湖(北見市常呂町)の牡蠣


 料理の味に関しては、別段違和感なくまとまった味になりました。大杉の方や先生からも好評をいただき一安心でした。
 私自身辛いものが苦手で、今回の料理の中だと辛くない料理(唐辛子を使用していないもの)がモモ・クレ・赤米の7品中3品だけで、少し食べづらさを感じながらも美味しく食べることができました。ちなみに、今回の料理の中でいちばん辛かったものは、ゼミ生満場一致でプタでした。どれも日本の料理とは風味から違い、とても新鮮な味でした。
 辛いものを克服してから再度味わいたいです。 (コシヒカリ)


1218いろり01会食12会食 1218いろり01会食11ビュッフェsam


《関係サイト》
中国道蕎麦競べ
(11)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2308.html
(15)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2322.html
四度目の大杉ー学生レポート
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2458.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2459.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2461.html
五度目の大杉
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2483.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2484.html

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Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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