そば切り 彦衛門


噂のビブグルマン
年初早々、眼科の定期検診があり、通院した。コロナはすでに再上昇の兆しをみせており、眼科の待合室には大型の扇風機を置いていて、天井にむけて強風を発し、上澄みのようにして溜まった空気を拡散させながら、換気扇から排出しているようだ。その後、訪れた蕎麦屋でも棚の上に小さな空気清浄機を置いていて(↑)、病院と同じように、プロペラを上に向け、空気を拡散させていた。デルタ以降、今回のオミクロンも空気感染が常態化しているとされ、いまやディスタンス以上に通風・換気が鍵を握ると思われる。

その蕎麦屋は「そば切り 彦衛門」という。菖蒲池の駅前から数百メートル離れた住宅地にある鉄筋コンクリート造のお店。隣はセブンイレブンである。「山中の蕎麦屋」とはとても言えないけれども、室内は木造の和室を印象づける(↑)。とくに、アルミサッシュ窓の内側に垂らした簾の効果は上々である。外側の風景を全面的に遮ることなく、爽やかな和の空気を室内にもたらしている。ミシュランのビブグルマンに掲載された蕎麦屋ということで、年末から注視しており、年初に予約がとれたので、家族で昼食に出かけた。


注文したのは、以下の五品。
・辛み大根 ぶっかけおろし(冷/玄そばあら挽き)
・貝柱とあわび茸のせいろ(冷麺/玄そばあら挽き、温つけ汁)↓
・生ゆばのおそば(温/自家絹挽き)
・そばがき(生山葵・おろし具付)
・旬野菜の天ぷら *そば湯も濃厚!

どれもこれも非常に美味しうございました。私がとくに気に入ったのは、「旬野菜の天ぷら」。肉や魚介を含まないところが精進風で良いですね。菊芋の甘さに目眩を覚えたほど。麺は、玄そばが奥出雲風の野太いごつごつした感じで、絹そばが細くて白い麺です。このまえ紹介した奈良町の老舗「玄」の黒蕎麦(田舎蕎麦)、白蕎麦に対応しますが、私は「彦衛門」の方が好みです。建築・内装も、「玄」のレベルのはなれ座敷なら、却って趣を懲らした彦衛門のほうが面白いし、なにより椅子座がいい。年寄りが座りやすく、快適に食べることができます。
家族全員一致で、また来ようということになりました。次は「夕御膳」がいい、ということで。「玄」「観」「一如庵」ほど有名ではないけれども、ビブグルマンの称号に恥じない名店だと思います。

↑そば湯 ↓湯葉そば(左)とぶっかけ(右)

