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2022卒業論文発表会を終えて

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発表前の打ち上げ?

 2月9日(水)、予定どおり、卒業論文web発表会がおこなわれました。前の研究室が予定よりかなり早く終わったのですが、時間を前倒ししてはいけない、ということで、なんと40分もの空き時間ができてしまい、ここで相談し、お茶の時間と称する「打ち上げ」を発表前にやってしまいました。オミクロンのご時世に密になって飲食などもってのほか、とお叱りを頂戴するかもしれませんが、2年前までは発表会の後に打ち上げの外食をしておりました。そのかわりの「お茶の時間」ということで、ご寛恕のほど宜しくお願いします。なお、演習室では、換気扇全開に加えて、扇風機2台を常時まわして通風・換気に努めております。

発表風景

 5名とも上出来の発表でした。詳細な報告は16日の卒論提出後、各自にブログアップしてもらいますが、今夜はとりあえずのラッシュレポートということで。


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 トップバッターは、東くんの「日本海側過疎地の活性動態を探る-北陸の地域振興例と因幡・但馬へのフィードバック」(目次)。上々の仕上がりでした。北陸における竹所(カールベンクス氏の活動)や佛子園・JOCAの先行例をどれだけ因幡・但馬地域にフィードバックできるか、が今後の課題です。期待しています。最後の「過疎地を前向きにとらえる」というのは素晴らしい気づきだと思います。


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 2番目は魚谷くんの「マカオの小店(こみせ)街とエッグタルトの風景-旧ポルトガル植民地の町並みとフードスケープ」(目次)。2年間、上海とマカオの研究に取り込んでもらいましたが、ついに渡航は叶いませんでした。最後は、大学院生テイ君のサポートもあり、限られた情報のなかで、うまくまとめてくれました。マカオは、ともかく魅力ある地域であり、今後、香港のような動乱がおきることなく、成長しながらもできるだけ現状を維持してほしいと思います。


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 3番目は紅一点、玉田さんの「大僧正行基と長岡院-菅原遺跡を中心に」(目次)。ブータンに行きたいと言ってASALABに来た彼女もついに渡航が叶いませんでしたが、無理心中のようにして、行基と菅原遺跡の主題に取り組んでもらいました。行基と道昭、菩提遷那、忍性の関係をよく調べてくれました。また、2年前の岡﨑くんの修論「中期密教の宝塔/多宝塔とチベット仏教ストゥーパの比較研究」を後継する大役を果たしてくれました。感謝します!



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 4番バッターは平井くんの「荒金鉱山と岩井町営軌道-正・負の遺産の再評価とダークツーリズムの展望」(目次)。負の遺産とダークツーリズムのところはよく理解してもらえたと思います。ダークツーリズムの発想は、じつは秋田在住の考古学者のサジェスチョンを本論文に借用したものです。正の遺産については、「ほとんど残っていない」のではなく、鉱山町をはじめとする遺跡が地下に埋蔵されており、発掘調査すれば、それが露わになることを強調すべきでしたが、これは私の指導不足でした。ちなみに、大正~昭和戦前あたりの遺跡もいまや十分考古学の対象たりえます。私自身、缶コーヒーの缶の編年には大変興味をもっています。


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 大トリを務めたのは、村上くんの「『金閣寺』と『金閣炎上』-居場所を失くした若者たちへ」(目次)です。村上くんは3年前期からこの問題に取り組んでおり、深い考察をしてくれました。本人は、教職課程との関係から「障害児教育」の問題と絡めたいと構想していたのですが、どうもうまくまとまりそうになくなってきたところに、全国共通テスト東大会場前での刺傷事件が発生し、金閣放火との比較材料にしてみようという提案を受け入れ、「居場所をなくした若者が犯罪の温床になっている」という社会学的見地から結論を導いてくれました。教職課程の先生方にもご聴講いただけたようです。
 トップバッターの東くんは過疎地に暮らす高齢者の空間論的な居場所論、大ラスの村上君は競争社会の中で居場所を喪失した若者の社会学的な居場所論となり、いずれも今後の研究室活動に指針を与える重要な成果になったと思っています。



たまにはマイルスでも。ビル・エヴァンスが効いてますね。「グリーン・ドルフィン・ストリート」、散々練習した曲ですが、もう弾けないかな?

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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