雪のアルマーレ


賢者の食卓
先週半ばに降り積もった雪もこの週末で融けてきた。イブ・ミュアヘッドとヴィッキー・アダムスにまんまとしてやられたカーリング決勝を見終えた昼下がり、少し落ち込んだ気持ちを癒したくなり、冬のアルマーレに行きたくなった。市街地は路肩に微かな残雪がある程度で雪は降っていなかったが、9号線を東に進むに連れて雲行が怪しくなっていく。スペイン瓦の館に着いたころには粉雪が降り始めて芝生の洋庭は薄く雪化粧していたが、入館した直後から吹雪に変わり、ガラス窓の向こうのヴェランダがみるみる真っ白になっていった(↓)。


感染者が少ないと言われてきた鳥取においても、第6波は深刻である。オミクロンは鼻風邪のような軽症のコロナであり、2月上旬にはピークを迎えて感染者は一気に少なくなるであろう、という予想を覆し、ここ1週間は連続して陽性者が100人を上回り(23日は211人)、小学校などのクラスターが続出している。重症者・死者も全国的に多い。鳥取県と奈良県は、国の「まん延防止等重点措置」を拒否する自治体の双璧であり、当初はそれを支持する意見も多かったが、かくもリバウンドが激しいと反対の意見もしばしば耳にするようになった。
鳥取県東部には外出自粛要請が出ている。法律的には何の拘束力もない「要請」であり、こうして私たちも海辺のカフェに足を運んでいるわけだが、ご覧のとおり、この日もまた心配ない状態であった。経営陣には申し訳ないが、この空間と風景を独占できることの快楽を知る人は決して多くないであろう。いまや私たちの隠れ家のようになっている。

↑ブルース・コバーンを知ったのは大学1~2年生のころだったかな。変則チューニングでジャズっぽい幻想的な演奏をする。どうやったらコピーできるのか、悩んだものである。すでに76歳だとか。カナダの英雄です。

この冬、岩美は雪が少なかったのだそうだ。年末年始の大雪の際も雪掻きをしなかったという。この日の吹き降りはなかなかのものであった。しかし、館の中に入れば、冬の厳しい天候もスクリーンに映る動画でしかない。雪と日本海をみているだけで、何をしなくても時間は過ぎてゆき、穏やかな気持ちになれる。思わず二つめのスフォリアテッラと苦い珈琲を注文したくなるけれども、もちろん体調のことを考えると、そんな贅沢は許されない。「賢者の食卓」という粉末サプリをミネラルウォーターに溶かして、少しずつ口にふくみながらナポリの焼き菓子を食べる。糖の吸収を防いでくれていると信じるしかない。
鳥取の市街地に戻ると雪はまた少なくなったが、気温は下がる一方で、翌21日から本格的に降りはじめ、15センチばかりの積雪をみた。少々雪掻きをした。雪掻きをすると、腰痛が和らぐ気がする。
猫の日の弁天娘
アルマーレを訪れたのは、2022年2月20日である。翌々日の2022年2月22日は「猫の日」だってさ(誰が決めたんだ)。NHKも民放も猫の番組ばかり特集している。私たち夫婦は奈良猫サツキに想いを馳せる。サツキと言えば、LSの藤沢さんだが、以下のサイトには仰天させられた。
日本代表ロコ・ソラーレ 藤沢五月&吉田知那美、実は酒豪…地元・常呂町のすし店で4人で4升!
https://news.yahoo.co.jp/articles/c3e0e7f21443a612fdab23fb7e0fc478e81f42ba
先日お話ししたように、常呂の友人の娘さんがLSの親しい同級生であり、何かお祝いの品を届けようと思っていて、「因幡の弁天娘を常呂の弁天娘へ」と相談したところ、友人の反応はまんざらでもなかったので、猫の日に しず で4本の弁天娘を常呂に直送してもらった。いつもサロマ湖の海鮮をお送りいただいているので、たまにはお返ししないとね。若桜の弁天娘は、コップ酒がなにより美味い。常温が淡麗で何杯でも飲める。ぬる燗にするとほのかに甘みがひろがる。両方味わっていただきたいな。


【2月23日追記】 天皇誕生日になっても、まだ雪は降り止まず、今冬初めて二日連続の雪掻きをした。自家用車の回りの雪をスコップで搔いて狭い通路をつくるのだが、搔いた先から降り積もって路面がみえなくなる。「元の木阿弥」という諺が頭に浮かんだ。