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ロシアの白虎-ベラルーシ

プレミア


陰陽五行とルーシの地理区分

 ベラルーシという国はアゼルバイジャンとかアルメニアなどに近接する中東寄りの国だと思いこんでいた。だって、かの独裁者の顔はその種の人類学的特徴を示しているでしょう。ところが、実際はウクライナの北側に隣接する内陸国であり、ベラルーシという国名は「白ロシア/白ルーシ」だと知って、あぁ言われてみればそういうことか、と自分の無知を反省した。白ロシア/白ルーシの「白」は肌の色とは関係ない。中国の陰陽五行における白または白虎、すなわち西を意味するという説がある。つまり、ベラルーシとは「西ロシア/西ルーシ」であり、これと相関させるならば、北のモスクワは黒ルーシ(玄武)、南のウクライナは赤ルーシ(朱雀)というわけだ。古代中国の風水をスラブの地理区分にあてはめるなど言語道断にして荒唐無稽、と思われるかもしれないが、この地域の歴史には大モンゴル帝国が介在している。古代中国の陰陽五行的方位観が13~15世紀のモンゴルを媒介にしてスラブ民族に投影しているとすれば、同じ風水観念を共有する極東民族としていっそう東欧に親近感が湧いてきますね(史実として正しいかどうかは分からないが)。
 ちなみにルーシとは、10世紀に起源するキエフ大公国の居住民族の総称であり、ウクライナ・ベラルーシの人民がその後裔にほかならない。キエフ大公国の首都はもちろんキエフ(キーフ)であり、その勢力がモスクワ(黒ルーシ)まで及んでいたということである。モスクワを中心とする現代ロシアの民族観とは真反対の空間認識ではあるけれども、こういうブログで「白ルーシ」と書いても通じないので、「白ロシア」という表現を使わざるをえないという後ろめたさがある。
 ベラルーシの語源と似たような発見をしたことがある。旧ユーゴスラビアを中国語でナスラフ(南斯拉夫)という。今から40年近く前の中国留学時代、ユーゴからの留学生もたくさんいた。清華大学に在籍していた建築の先輩は既婚であるにも係わらず、ナスラフの恋人と学内で同棲しており、東京から奥様が来華されると、部屋中大掃除しナスラフ臭を消していた。あれだけもてればたいしたもの(笑)・・・それはいいとして、ユーゴスラビアは中国語の「南斯拉夫」からあきらかなように「南スラブ」を意味する。おそらくルーマニア方面からスラブ人が南下して築いた国ということであろう。ただし、その中核的民族は首都ベオグラード周辺の現セルビアにほぼ限定される。社会主義連邦を構成したクロアチア、ボスニア、スロヴェニア、マケドニアなどは別の民族/宗教/歴史の地域であり、それが1990年ころから10年以上に及ぶ複雑な内戦を経て多くの国が独立した。言ってみれば、ユーゴは小型のソ連であり、ソ連解体と連動して多くの小国に分かれていったということである。あのときユーゴ軍は連邦諸国に侵攻し、NATOはセルビアを空爆した。NATOの空爆がドラガン・ストイコビッチ来日の引き金となる。



↑ぜひ視聴してください。とても勉強になります。





レッドスターとディナモ・キエフ

 サッカーの世界で西欧の列強チームを脅かした二つのスラブ系チームを忘れることができない。一つはストイコビッチがキャプテンを務めた時代のレッドスター・ベオグラード。1980年代後半から頭角をあらわし、チャンピオンズカップでは88-89年に優勝したACミラン(伊)に惜敗するも、90-91年にはマルセイユ(仏)を下して優勝している。その後、大半の選手がミランやマルセイユなどのビッグクラブに移籍してしまう。このころ内戦は激化し、ユーゴは軍事侵攻の懲罰としてユーロ92の出場権を失った。また、90年のイタリアW杯で代表チームの監督をオシム、主将をストイコビッチが務めてベスト8まで進んだが、サラエボを侵攻された内戦時にオシムは監督を電撃辞任。ストイコビッチはセルビア側、オシムはボスニア側に袂を分かつ。日本での活動期間は絶妙にずれている。ストイコビッチは94年から名古屋でエースだったが、2001年に退団。オシムは2003年から千葉(市原)の監督、2006年に代表監督に就任するも、翌年に脳梗塞で倒れ監督業を引退。ストイコビッチは2008年から6年間、名古屋の監督を務めた。現セルビア代表監督。

 一方、ディナモ・キエフはソ連時代、代表チームそのものといえるほどの強豪であった。チーム最大のレジェンドは、ウクライナ時代のシェフチェンコではなく、ソ連時代の70年代に活躍したオレグ・ブロヒンである。ベッケンバウアー(西独)対クライフ(蘭)の決勝対決で盛り上がった74年ドイツW杯の翌年のバロンドールがブロヒンであり、75年のディナモ・キエフは当時の最強豪バイエルンでさえ抑えきれない超高速の黒船のごとき強さがあった。選手引退後のブロヒンはディナモ・キエフやウクライナ代表の監督を歴任している。
 ストイコビッチもブロヒンもスラブ人の端正な顔立ちをしている。わたしがちょっと違うんじゃないか、と思っているのは、テニスのジョコビッチなの。あの風貌どう思います? スラブ系なのかな?? ベラルーシの独裁者ほどではないけれども、ボスニア系というか、オスマントルコの匂いを感じてしまう。セルビアはロシア支持の声明を発しているが、まさかジョコビッチまでそんなこと言わないよね。コロナで物議を醸したけれども、あれはいいと思うんです。コロナについては、人それぞれ考え方が違うから。でも、ロシア侵攻は許せない。いくら寛容な仏様でも、プーチンだけは赦しません。



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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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