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ツィターとバンドゥーラ

画像01チター説明01     画像02バンドゥーラ01


 昨日、アパラチアン・ダルシマーとハンマー・ダルシマーを紹介した関係上、それらの源流であるツィターのサイトをチェックしたところ、なんだバンドゥーラとそっくりじゃないか、といまごろ気付いたんです。上に両者を並示してみます。左がツィターで、右がバンドゥーラ(要クリック)。いずれも琴とギターがくっついているようにみえますが、いちばん大きな違いは、ギターのネックにあたる部分が琴(胴部)より外に出ているのがバンドゥーラで、出ていないのがツィターですね。しかししかし、もっと本質的な違いがありまして、ツィターはギター部分(5弦?)でメロディを奏で、琴(ハープ)部分は伴奏に使います(↑左)。この伴奏部は1コース3弦のようで、おそらくですが、その3弦はコード(和音)になっているのではないか、と想像されます。


 アントン・カラスの「第3の男」



 クリミア半島南端ヤルタの「街の日」の風景


 一方、バンドゥーラの方は、上の演奏等をみる限り、メロディを琴(ハープ)で奏で、ネックの長いギター部分は低音を担当しているようです。しかも、ネックの低音部は右手で弦をつま弾くのではなく、フレットを押さえる左手で音を出しているようにみえます。さらに、ここが重要なんですが、ツィターはペダルスティールに似た横琴でリードもしくは独奏用の楽器であるのに対して、バンドゥーラはギターに近い竪琴であり、弾き語りの伴奏に多用される楽器だということです(上は独奏ですが)。間違ってたら、すいません。これらの起源はすべてラテン語の「キターラ」にあり、文物として最も古いのは中国の「古箏」(↓)だそうです(箏が全世界のツィター系楽器の起源というわけではない)。古箏に近い板琴なら縄文時代からあった可能性があり、小さいボディのついた槽琴なら弥生にはあったはずです。2018年、愛媛で出土した中国系の「筑」という打弦楽器の破片(古墳時代)をめぐって似たような記事を書いています。は中国の戦国時代には出現しており、おそらくネックの先端が蛇頭のようなヴァイオリン風の横琴で、竹(筑)で弦を叩いたと考えられています。アパラチアン・ダルシマーを竹の撥で叩いているようなものなのかな?


中国古代琴Lian_Zhu_Shi 中国最古級の古箏。琴には琴柱(可動のフレット)があるのに対し、箏に柱はなく、フレットレスもしくは固定式のフレットとする。


 中国の「筑」という楽器は、『戦国策』燕策に記載があるものの、宋代までに失われ、中国においても実物は存在しなかった。しかし、1993年に長沙河西の前漢王朝皇后玉陽の墓で実物がみつかった。これは当時、40年以上ぶりの楽器考古学の大発見と騒がれた。だから、愛媛の遺跡の遺物が本当に「筑」だとすれば、これもまた相当な大発見というほかない。復元しようかな!?


中国の筑 中国戦国時代の筑(復元)。弦を張らないネックの部分がなぜ必要なのか。団扇の柄のようなものなのか?

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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