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北陸に居場所をもとめて(1)

北陸紀行1日目 (18) 佛子園中庭の遊具


 新年度になりました。大学院に進学することになった滅私です。先生から何度も催促されながら、無精の本性をあらわにしてしまい、年度が変わるまで遅れてしまいましたが、昨秋の北陸紀行を連載していきます。当初、北陸での視察は昨年の夏休みに行う予定でしたが、コロナ禍第5派により延期を余儀なくされ、感染がいったん収束した10月末~11月初の実施となりました。


速水代表講義スライド 北陸紀行1日目 (12) 速水代表による講義


佛子園-ごちゃまぜのまちづくり
 
 2021年10月30日(土)、北陸紀行1日目。石川県白山市に本部をおく社会福祉法人「佛子園」を訪れました。到着後、まずB’s行善寺の速水代表による講義を受け、佛子園の施設や「ごちゃまぜ」というコンセプトについて学びました。「ごちゃまぜ」とは、「障害の有無、性別、年齢、国籍、文化、人種や宗教、性的指向などあらゆる人が認め合う」ことを意味し、ここでは特殊な人を排除しないごちゃまぜのまちづくりが実践されています。通常のデイサービスや介護施設は、隔離された特殊な施設ですが、佛子園では高齢者や身障者と健常者や子どもたちが普通に会話しあい交流しています。高齢者の入浴場では、介護の職員とその子供まで一緒に入るのが当たり前になっています。
 もちろん、時々、問題もおきます。しかし、それもすべてひっくるめて「ごちゃまぜ」であり、問題が起きた時には、みんなで話し合って解決することでコミュニケーションが強化されます毎日何かあっていい、そんな覚悟と寛容さがごちゃまぜプレイスを支えています。講義中には、知的障碍者の方が私たちの近くに現れ、少し驚きましたが、佛子園ではごく日常的な出来事であり、多様な人材が交差するまちづくりが実践されていることを肌で感じました。


北陸紀行1日目 (13) 
↑行善寺温泉  ↓温水プール(左)と保育園(右)
北陸紀行1日目 (2) 北陸紀行1日目 (1) 


B’s行善寺
 
 講義後、実際に代表に佛子園の施設を案内していただきました。B’s行善寺は、佛子園本部に併設されている地域コミュニティ施設であり、福祉・医療施設としての高齢者デイサービス、障碍者生活介護や保育園、内科クリニックに加え、交流施設として天然温泉、食事処、ごちゃウェルネス(健康増進施設)、温水プール、フラワーショップなどが併設されています。また、施設全体が障碍者の就労支援の場となっています。B’s行善寺は、複数の機能が隣接して融合し、「ごちゃまぜ」を実現している場所といえます。


北陸紀行1日目 (4) 北陸紀行1日目 (5)


 ごちゃウェルネス(↑)には、地域の健康づくりを目指したジムやスタジオがあり、障碍のある人も、ない人も本気で筋トレしたい人もそうではない人も仕切りなく一緒にいます。身障者の方が運動しているのを見て、運動しなければいけない年齢の人たちがどっと通いやすくなるそうです。筋トレしたいと思う私にとっても興味深いものであり、体のバランスを整えるマシーンを体験させていただきました。かなり振動していましたが、周りから見るとただ、立っているだけに見えるようです。施設は広く、器具も充実しており、何より温泉に入り放題というのは魅力的です。



北陸紀行1日目 (3) 北陸紀行1日目 (15)


 B’s行善寺は、Wi-Fiがあればどこでも仕事ができるため、職員室を作っていません。1階に事務所があるけれどもオープン化しており、B’s行善寺のスタッフは事務所だけでなく、2階のフリースペース(↑)も含め様々な場所で働いています。障碍のある方や保育園児はアポイントを取れません。しかし、みな話したいことがあります。そのため、その人の好きなタイミングで来られるようにオープンな場所で事務仕事をしています。たしかに、職員室は閉鎖的であり、大学の総務課や学務課の体験を思い起こしても、訪問者にとってあまり居心地の良い場所ではありません。学生生活をふりかえっても、オープンになっているほうが気軽に話しかけやすいだろうと感じます。


北陸紀行1日目 (16)


蕎麦屋で昼間から一杯!

 佛子園の中でとくに印象に残っているのが、施設の中央に店を構え、ブータン蕎麦を主要メニューとした「行善寺やぶそば」です。蕎麦だけでなく、お酒や総菜・丼なども提供しています。仕事終わりに行善寺温泉に入って一杯、蕎麦を食べながら、お昼から呑兵衛になれます。昼から呑むことはコミュニケーションの重要なツールです。とくに年配者にとっては重要な交流の空間になっています。それを象徴するこんなエピソードがあります。以前、行善寺やぶそばに来ていた方が末期の癌と診断されました。通常であればデイサービスに通いますが、その方はやぶそばの常連として毎日のように一杯やりに来ていました。ここには、知人や仲間がたくさんいるからです。いざ病状が悪化し、入院することになっても仲間がお見舞いに来てくれます。その後、亡くなられたのですが、残った呑み友だちは、やぶそばでまた一杯やりながら、亡き友人の思い出を語り合います。ここでは、お酒を通して横のつながりができ、亡くなった人の魂が受け継がれていきます。最近は、飲みにケーションが社会問題にもなっていますが、お酒はお互いの交友や理解を深めることにも繋がる良い方法かなと思います。


北陸紀行1日目 (8) 北陸紀行1日目 (6) 北陸紀行1日目(20)


夕方にも一杯!
 
 施設の案内を終えて、「行善寺やぶそば」で代表と夕食を共にしました。専門店でブータン蕎麦を食べるのは初めてでしたが、とても美味しかったです。私は、ミニ黒天丼せいろセットをいただきました。佛子園では、ブータン高地寒冷地域の貧農支援のため、蕎麦の実を輸入し、その製粉・製麺を障がい者を雇用して国内でおこなっています(日本の中のブータン(3))。佛子園が輸入・製粉をした蕎麦粉3㎏、佛子園で製粉したブータン甘蕎麦乾麺12袋を購入しました。蕎麦粉、甘蕎麦乾麺は後日、プロジェクト研究「大杉」での地域住民との交流の重要な教材となりました。 【続】


北陸紀行1日目 (9) 北陸紀行1日目 (10) 
↑ブータンの甘蕎麦乾麺(左)と蕎麦粉(右)


【連載情報】北陸に居場所をもとめて
(1)佛子園-ごちゃまぜのまちづくり
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2547.html
(2)輪島カブーレ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2550.html
(3)カールベンクスさんの古民家再生-松代と竹所
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2551.html
(4)安楽寺三重塔と大法寺三重塔
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2554.html

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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