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北陸に居場所をもとめて(4)

北陸紀行4日目(1) 北陸紀行4日目(2)


安楽寺八角三重塔

 11月2日(火)、北陸紀行4日目。長野県上田市にある禅宗寺院の塔、安楽寺八角三重塔を訪れました。先生が安楽寺の修復を担当した技師さんと親交があることで、ご住職に案内をしていただけることになりました。安楽寺三重塔は、江戸時代以前の遺構としては唯一の八角塔であり、昭和27年(1952)に国宝に指定されています。建立年代は、従来、漠然と鎌倉時代末〜室町時代始め頃と考えられていましたが、年輪年代測定の結果、1289年伐採した木材が使われていることが判明したため、1290年代以降の鎌倉後期に建立されたことが判明しています。一般には入ることのできない三重塔初重の内部も、ご住職の付き添いで特別に見せていただきました。初重の裳階が特徴的であり、法隆寺西院や薬師寺東塔の裳階は短いものですが、安楽寺三重塔では本体初重屋根より裳階を長くしています。そして、建具は本体側柱筋にはなく、裳階の側柱に嵌め込んでいます。この点は、菅原遺跡「円堂」復元において、建具有B案に反映されました。


北陸紀行4日目(4) 北陸紀行4日目(3)
安楽寺八角三重塔初重内部。本尊は大日如来。


安楽寺のお守り-途上国の貧困支援
 
 平成23年(2011年)11月、60年ぶりにこけら葺き屋根の葺き替えが行われました。相輪や露盤などの頭頂部金具飾りの修理は100年ぶりとなる大規模な修復工事だったようです。屋根のこけら葺葺き材はすべて剥ぎとって新しく葺き替えました。その際、古いこけら板を捨てるのはもったいないので、ご住職はお守りに転用されることを発案されました。こけら板を小さく裁断して焼印し、ポーチのような木綿の小袋に納めています。永い歳月、風雪に耐えた、さわら割板と竹くぎを守護神とみなし、「屋根として60年国宝を守ってきた材をお守りにすることで、今度はみんなを守って欲しい」との意味が込められています。
 お守りを入れる木綿の小袋は、アジアの子供たちの教育支援とも関係しています。ご住職は、先代の頃から40年目となる公益社団法人シャンティ国際ボランティア会の会長を務めています。この布袋は、タイの材料を使用し、バンコクのスラム街で作られた織物です。スラム街で織布・裁縫されたポーチを輸入し、現地の子供たちが小学校に通うための資金を提供しているのです。こういう国際的な支援と交流を背景にして、多くの人の縁が繋がれており、ご住職は織物をお守りの袋にすることで、その縁を日本の国外にも広げておられるのです。


北陸紀行4日目(10) 北陸紀行4日目(11)
↑安楽寺のお守り(左)、お守りを入れる木綿の小袋(右)


北陸紀行4日目(5) 北陸紀行4日目(6)


大法寺三重塔

 近くに別の三重塔があり、国宝に指定されているので、視たほうがいい、とご住職からご教示されました。大法寺は長野県小県郡青木村にある天台宗の寺院であり、三重塔が国宝に指定されています。三重塔は正慶二年(1333)の建立で、中世室町初期の和様手法により、美しい水煙を乗せ、端麗なたたずまいをみせており、俗に見返りの塔と呼ばれる東日本屈指の塔です。長い参道の石段があり、三重塔まで上がるのは大変でしたが、安楽寺八角三重塔ほどの特異性はないにせよ、国宝建造物を視たことで満足感に充たされました。この地域は、ほかにも前山寺三重塔や中禅寺薬師堂、常楽寺など文化財寺院が集中する重要地域であることが」分かりました。

そば処 倉乃
 
 昨夜に続き、この日も蕎麦を食べたため、紹介しておきます。佛子園のブータン蕎麦、新潟のへぎ蕎麦に続き3食目となるのは、そば処「倉乃」のもりそばです。倉乃のそばは、上田市真田町渋沢にある標高1000mの霧下で自家栽培し、自家製粉したそば粉を使ってそばを打ちます。清涼な味がしました。フードスケープも昨夜のイオンに比べれば・・・


北陸紀行4日目(7)もりそば
↓店舗の外観(左)、内装(右)
北陸紀行4日目(8) 北陸紀行4日目(9)


【連載情報】北陸に居場所をもとめて
(1)佛子園-ごちゃまぜのまちづくり
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2547.html
(2)輪島カブーレ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2550.html
(3)カールベンクスさんの古民家再生-松代と竹所
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2551.html
(4)安楽寺三重塔と大法寺三重塔
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2554.html
(5)JOCA本部-駒ヶ根
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2557.html

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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