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ナターシャ・グジー コンサート in キエフ

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カザルスの「鳥の歌」

 メーデーの大阪公演で購入したDVD『ナターシャ・グジー コンサート in キエフ』を何度も視ています。このDVDは市販品ではありません。「連歌・鳥の歌」「ピース・オン・ウィング」の両プロジェクトに一定の賛同金を寄せた場合、1セット配布されることになっているのですが、グジ-さんのコンサートでは直売されるようです。入手できたことを幸運に思います。「連歌・鳥の歌」はチェロ奏者、パブロ・カザルスが歌いかけたカタルーニャ民謡「鳥の歌」を世界の音楽家が俳諧連歌のように表現していくプロジェクト、「ピース・オン・ウィング」はチェルノブイリ原発事故30年記念式典で日宇両国の子どもたちが折った折り鶴を交換するプロジェクトです。
 DVDは2枚組になっており、演目・演者は以下のとおり。

【Disc1】 1.Opening 2.鳥の歌 3.踊る娘 4.旅歌人〈コブザーリ〉  5.木の根
     6.斜影   7.彩雲    8.PANORAMA  9.アガイティーラ  10.鳥の歌 
     11.生命の旋律  12.白い翼  13.希望の灯  14.わがキエフ 
     《アンコール》 15.Shedrik  16.ふるさと  17.Ending
    @キエフ国立オペレッタ劇場 2016年4月26日
【Disc2】 
 1.鳥の歌  連歌・鳥の歌 2016年欧州ツアー@カタルーニャ・ウクライナ
   バルセロナ/アウディトリ Hall3  2016年4月22日
 2.チェルノブイリ30年・東日本大震災5年 式典
   ~禎子の折り鶴寄贈式・ウクライナと日本の子どもたちによる折り鶴交換式~
   @キエフ/国立チェリノブイリ博物館  2016年4月26日

 ナターシャ・グジー 〈ヴォーカル・バンドゥーラ〉
 金子 飛鳥 〈ヴァイオリン・コーラス〉
 井上 鑑 〈キーボード・ピアノ〉
 市川 慎 〈筝・十七絃〉
 吉田良一郎 〈津軽三味線〉



@国際連合本部、1971年
1961年のホワイトハウスでの演奏は こちら にアップされています。ケネディ夫妻が応対。ベトナム戦争(1955-1975)まっ盛り、キューバ危機はこの翌年(1962)です。


 
グジ-DSC_1277


折り鶴への想い-ピース・オン・ウィング

 2016年の欧州ツアーでは、大阪のソロとは打って代わり、複数名のアンサンブルで、また別の魅力を味わうことができます。3月のチェコ大使館チャリティ・コンサートでもバックを務めた井上鑑(あきら)・金子飛鳥(今はマレー飛鳥に改名)のお二人が伴奏の基本ユニットです。欧州ツアーでは、筝(こと)・十七絃(宮城道雄が考案した17絃の箏)の市川慎さんと津軽三味線の吉田良一郎さん(吉田兄弟の兄の方)が加わっています。市川さんと吉田さんについては、和楽器の魅力を欧州に伝えるだけでなく、ウクライナの民族楽器バンドゥーラとの融合を強く意識されたものと思います。とくに筝・十七絃について、グジ-さんは「この楽器が好き」だとステージ上で紹介されています。グジ-さんの高音の歌唱・バンドゥーラ演奏に対して、市川さんは十七絃の低音を活かして和音を通奏低音のように弾いています。箏の雲の上にグジ-さんがのっかっているようで、聴く人も奏でる人も心地よいのではないでしょうか。
 一方、津軽三味線はもちろん和楽器の代表として存在感は十分あるのですが、バンドゥーラとの相性となれば微妙なところがあります。編曲を担当した井上さんは苦労されたことと思います。むしろ笙とか尺八などがマッチしたのではないか、と。三味線ソリストとしての吉田さんの力量は疑う余地もなく、それを欧州の観衆に披露するのは意義深いことですが、ただ、バンドゥーラとの相性に限っていうと、大阪会場の落語ほどではないにせよ、若干の違和感を拭えなかった、というのが正直な感想です。


    鳥取県章


 さて、折り鶴の問題にも触れておかねばなりません。いまネット上では、必要以上に折り鶴が叩かれ、炎上しています。折り鶴を折った方々は善意の気持ちがあり、それをウクライナ大使館に寄贈したところ、「有事の支援には不要なものであり、始末に困る迷惑な代物」だとして退けたのが論破王やメンタリストや芸人でした(この3名はウクライナのために何をした?)。ところが、チェルノブイリ30年式典においても、折り鶴は平和と反核と国際交流のシンボルとして重要な役割を果たしています。広島で被爆した佐々木禎子さんが「折り鶴を折り続ければ白血病が治る」と信じ続けて折った折り鶴。その折り鶴をチェルノブリ博物館に寄贈し、ウクライナと日本の子どもが折った折り鶴の交換もあった。こういう伏線を知った上で、このたびの折り鶴寄贈も理解しなければなりません。ただ支援という部分だけに限定してはいけない。
 グジ-さんたちの活動に隠されたキーワードは「鳥」ですね。パブロ・カザルスが愛した「鳥の歌」の連携、折り鶴を交換する「ピース・オン・ウィング」の翼はいずれも平和のシンボルです。ここで鳥取のことを引き合いに出すのは我田引水に過ぎるでしょうか。「鳥取」の「鳥」は折り鶴の「翼」やカタルーニャの「鳥」と直截に結びつきます。鳥取出身の岡野貞一が作曲した「故郷(ふるさと)」だけでなく、こうした暗喩をうまく今後の支援活動に結びつけていきたいと考えるに至りました。ブータンの風とカタルーニャの鳥と広島の折り鶴を鳥取でつなぎたい。



◆市川慎(箏、十七絃箏演奏家)
秋田県生田流箏曲『清絃会』三代目家元の息子として生まれる。
高校卒業後、沢井忠夫、一恵両師のもとに内弟子として入門。
平成11年度文化庁芸術インターンシップ研修員。
同年秋田市芸術選奨を最年少で受賞。
第7回長谷検校記念全国邦楽コンクール最優秀賞、文部科学大臣奨励賞受賞。
第9回賢順記念全国箏曲コンクール銀賞受賞。
平成15年度秋田県芸術選奨を受賞。
第59回全国植樹祭において天皇皇后両陛下の前で御前演奏。自作の曲を発表する。


【関係サイト】
ナターシャ・グジー in 出雲(6月12日予告)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry2578.html
ウクライナ支援コンサート@大阪(5月1日)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2573.html
ナターシャ・グジー コンサート in キエフ
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2574.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2579.html

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Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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