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世界遺産の今-本物と復元で価値伝える

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復元建物に人を感動させる力はない

 新年度早々、4月6日に取材を受けた通信社の記事はGW開けに配信されるということであったが、一向に連絡がなく、よほど人気のない特集記事で掲載紙がなかったのか、と思っていたところ、30日(月)の深夜に某紙の紙面が送信されてきた。遺跡整備における復元建物などの表現方法を主に縄文世界遺産を素材にして論じ、その〆の部分をわたしがコメントする体裁になっている。
 これまで分かっている掲載紙は以下のとおり。

東奥日報(青森) 2022/05/14
高知新聞 2022/05/16
長崎新聞 2022/05/17
埼玉新聞 2022/05/19
伊勢新聞 2022/05/23
京都新聞 (夕刊)2022/05/24

 少ないですね。菅原遺跡CG復元の報道とは大違いだ。でもまぁ、この時代遅れの内容では、地方の各紙は買う気にならんでしょう。いまごろ三内丸山の巨根建築をクローズアップしても、喜んで読み漁る人はいませんよ。復元建物や遺跡整備について批判一辺倒になる必要はないけれども、少なくとも中立的立場から賛否両論取り上げて議論の俎上にのせないとね。これでは現場に対する忖度でしかない。インタビュー時には、増えすぎた世界遺産の不要性、感動できない復元建物やVA、日本が得意とするシリアル・ノミネーションの欠陥などが話題となり、おおいに盛り上がったが、こうした話題を通信社側はすべてカットし、私一人に批判的論調を押しつけた格好になっている。当日の録音データはすでに文字おこしを終えており、いつかその全貌をお知らせできる日が来ることをひそかに願っている。


 新聞記者はなぜ反骨精神を失ってしまったのだろうか。デスクと喧嘩して干されても構わないから、スパイスを効かせた記事を書く人が著しく減ってきている。今週水曜日の全体ゼミでは、映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」を視ます。ピュリツァ賞に輝いた先輩記者がモスクワに赴任してスターリンのプロパガンダに堕してしまっている腐敗に反発して、自らウクライナに乗り込んでホロドモール(大飢餓)の実態を暴露した若い記者の勇気を見習ってほしいね。
 わたしのコメントに関しては、3度推敲したので異論はない。冒頭の写真では読みにくいだろうから、以下に最終稿を転載しておく。

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 これまで平城宮跡の発掘や復元、「北海道・北東北の縄文遺産群」の御所野遺跡などで整備指導に携わった。求められたのは建物跡の復元だが、どれだけ根拠を積み重ねても、正解に近づけたか自信がない。復元に「決定打はない」と考える。
 昨年は、東大寺の大仏建立を主導した行基の供養堂とも言われる奈良市菅原遺跡の円堂をCGで再現した。遺構から分かる情報はわずかで古代の建造物を参照して四つの復元案を示したが、どれが正解か分からない。
 復元は研究者の数だけ案があると言われるが、実際に建てる場合は一案に絞られる。正解とは限らない原寸大の建物を遺構上に再現してもうそっぽさは拭えず、オーセンティシティ(真実性)を伝える地下の遺構を二度と見られなくなる。主役のはずの遺跡が復元建物の脇役となるのは、本末転倒だ。
 復元建物に必ずしも人を感動させる魅力や説得力があるとは思わない。遺跡の魅力の一つは、地形や植生などの風景と遺構が融合した景観だ。人工的な介入の少ない廃虚に近い方が、過去の姿や経過した時間への想像力を刺激する。空間と時間が交差しあい、その場所特有のオーラや風土性を体感できる。
 ただ、風景を見ているだけでは往時のイメージを読み取りにくい。復元建物は「小規模」「少数」、解体して遺構を再観察できる「リバーシブル」の三つを原則として脇役に徹すれば、遺跡景観の真実性を表現する可能性が生まれる。復元建物を主役にするのではなく、遺跡景観がもつ魅力を引き出すことが重要だ。
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 蛇足ながら、このたびの弥生似顔コンも、皆ヘルプレスと思っていて、高所からフェイドアウトの指示がでているはずなのに、結局、大の男が桃色マントを身にまとい、飛び跳ねて喜んでいるのだから悲しくなる。根性のある記者なら、行政に疎んじられてでも、問題点を晒すべきでしょうに。私が取り上げた「断髪文身・鯨面文身」など誰も顧みません。狩猟採集民じゃないんだからね。このあたりの学術的課題をクリアしてくれない限り、顔貌そのものに対する疑念も消えません。学問本来の閑けさを早く取り戻してほしい。



↑初見では、無理だ、と思うのですが、タブをみると、あぁそうか・・・ハンマリングとプリングを右手でやってるのか、ってわかってきます。はじめの2~3パターンならついていけそうですが、このテクを使いすぎると飽きられるな。跨ぎのフェイントを連発すると効果がなくなるとおんなじで、ここぞ、という時に一発だして驚かせるのがいい。スキルのためのスキルになっちゃぁ、おしまいだぜ(寅)
この人のCD(ルーム193)届いたんですよ。スキルフルな若手、増えてきてますね。共通点はどうやら、ジャズの学校(師匠)に通ってたみたい。さもありなん。上手いことは認めます。ただ、聴いていると、だんだん苛ついてくる。音が多すぎるし、タイム感覚が同じ曲が並んでいるんでね。空間を音で埋め尽くしている。お茶の時間にかけるには、少々耳障りです。配偶者曰く、「自分に酔ってる感じだね」。よい音楽とは何か、自問されるべき時ではないか、と。中川イサトや高田渡の偉大さを改めて感じました。人の心を動かせるか、否か。


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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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