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ナマズ食に係る活動記録-2023年度前期「歴史遺産保全特論」

0622ナマズ漁(菖蒲)01 6月22日ナマズ漁(菖蒲)。この日は収穫ゼロ。


小川でのナマズ漁

 今年度(2023)前期の大学院授業「歴史遺産保全特論」はナマズ食に係る主題となり、4人の院生が履修しました。基本は隔週2コマで木曜4~5限に開催。毎回のようにフィールドワークをおこない、ときに学部2・3年生のサポートを受けました。聞くところによると、教授のチュータ学生(とくに1・2年女子)にはさらに参加希望者が多かったとのことですが、漁具等も限られており、1回のフィールドワーク参加は4名を原則としました。以下、活動記録です。

第1回:4月20日 ナマズ活動初日
 大学院生4名で村上龍『料理小説集』(短篇、1998)のうち「ニューヨーク中華街のビルマ産地ナマズ蒸し焼き」「スルピンーブラジル大ナマズのスモーク」の2篇、宮本真二他(2001)「日本列島の動物遺存体記録にみる縄文時代以降のナマズの分布変遷」(『動物考古学』16号)を輪読。その後、ナマズを捕獲するための打ち合わせをおこなった。

第2回:5月18日 ナマズ捕獲活動(1)
 大学院生4名と学部生1名で鳥取市内4ヶ所でナマズの採集活動をおこなった。
〈洞ノ川A〉 環境大学付近にある大池とつながっている洞ノ川A区でミミズを餌にナマズ釣りをおこなった。中国留学生1名が虫や魚が苦手であることが発覚。釣果は4㎝ほどの小さなカワムツのみ。
〈洞ノ川B・砂田川〉 3人が釣り、1人が川の中に入り、網で採集をおこなう。ドンコ、ギンブナ、カワムツなどを捕獲。
〈大路川〉 水深が浅いため、畔・土手や橋の上から川の様子を確認した。スッポンの姿は見えたが、ナマズの姿は見えなかった。
〈重箱緑地公園〉 ほかの地点が水の透明度が高く、流れがあるのに対して、この地点では水が濁っており、流れも緩やか。水辺付近にはクロベンケイガニが大量に確認できるほど生物量が優れていそうな環境であったが、なにも釣れなかった。
 結局この日は鯰の姿かたちを見ることがなかった。

第3回:6月2日 琵琶湖北岸菅浦でイワトコナマズ視察
 菅浦の「佐吉」より、イワトコナマズが捕獲されたの連絡があり、急遽菅原へ(教師+滅私)。

菅浦イワトコナマズ01 菅浦イワトコナマズ02

第4回:6月8日 ナマズ捕獲活動(2) 
 鳥取市菖蒲地区でナマズが溯上しているとの連絡あり。同地区の幅2mの用水路でサデ網漁をおこなう。橋下にサデ網をもって待ち構える人を固定し、50m上流からサデ網を揺さぶりながら下流に向けて1名が歩き、下流に魚を追い込む。ナマズ1尾(約30㎝)、ドンコ、アメリカザリガニ、ヌマエビを採集することができた。ナマズはしばらく泥抜きを兼ねて研究室の水槽で飼育することとなった。また、アメリカザリガニは6月1日から始まった条件付き特定外来生物の規定などになったこともあり、サテライトキャンパス内にある里山生物園の餌にするため持ち帰った。
 今回の採集で、ナマズが数尾、下流へと逃げる姿が確認された。そのため、採集を行う際は観察をする前にサデ網であらかじめ下流を塞ぎ、逃げるのを防ぐ必要がある。次回の採集方法としては二人でサデ網を持ち水路を塞ぎ、上流から追い込む方法を採用する。採集にかかわる人数としては最低3人(追い込み1人以上、塞ぎ役2人)が必要であるという結論となった。

0608小ナマズ捕獲01

第5回:6月14日 ナマズ捕獲活動(3)
 同じく菖蒲地区の用水路で採集をおこなった。このたびは産卵期のナマズが活動を活性化させる夕刻の捕魚とした。先述のとおり、待ち受け役2名、追い込み役2名のサデ網漁。その結果、ナマズ2尾(62㎝・42㎝)と野生化した錦鯉1尾を採集することができた。先週の改善案の成果を感じられた。ナマズ2尾は菖蒲地区に住んでいる農家に一夜預かってもらい、錦鯉は研究室に持ち帰って飼育した。

0614ナマズ漁(菖蒲)夕方01 0614大ナマズ(菖蒲) 0614錦鯉(菖蒲)

 翌日(15日)午前、農家に預けていたナマズを受け取りにいくと、2尾とも死亡しているのを確認。回収した2尾は大学に持ち帰り、処理した。2尾とも腹を開いてみると淡い緑色のきれいな魚卵が一対入っていた。この後、卵は塩漬けにしたうえで冷凍庫に収め、身の方は内臓を除去したのちに魚類学実験室の冷凍庫で保管していただくことになった。身は後に塩漬けにし、後に乾燥標本となる。

0615ナマズ2尾遺体02魚卵 0615ナマズ2尾遺体01

第6回:6月22日 ナマズ捕獲活動(4)
 3度目の菖蒲地区に加えて、字中町の水田の畔を流れる幅1.5mほどの小川、大覚寺クリニック付近の小川で二人一組となって、前回同様のサデ網漁をおこなったが、ナマズを捕獲することはできなかった。すでに産卵期を過ぎているからかもしれない。菖蒲地区ではタモロコ、タイリクバラタナゴ、大覚寺クリニック付近ではカワムツを捕獲した。


日野川ナマズ刺身01 日野川ナマズ刺身02 日野川ナマズ唐揚げ01
米子駅前「庄屋」の日野川ナマズ料理-活きづくりと唐揚げ(2007年ころ)


ナマズの燻製と標本づくり

第7回:6月24日 燻製(1)
 大学の保存修復スタジオで燻製を試みた。簡易薫製器を使って干物カレイ、ソーセージ、パンガシウス(東南アジアの養殖ナマズ)を燻した。パンガシウスは冷凍品を解凍したため水分が多く、前日に臭み抜きを兼ねて塩を振り寝かした。薫製材としては桜チップを使うと、どの食材もみなベーコン味になったので、2回めの燻製材はジャスミンティー茶葉と砂糖を用いた。少し穏やかな味になった。

0628燻製01 0628燻製02

第8回:6月29日 燻製(2)
 この日も燻製を試みた。食材はウィンナー、カレイ一夜干し、パンガシウス切り身、錦鯉(6月14日採集)をスモークした。今回の燻製は水抜きの代わりにソミュール液(10%の濃度の塩分水にローズマリーを入れたもの)に予めつけ込んだ。前回より塩加減が良かったが、やはり桜チップの匂いが強すぎて、ナマズの風味がわからないのではないかという意見が出た。魚を薫製する場合、香りが強くないクルミ、リンゴなど癖の少ない木材チップを使うのがよいかもしれない。

第9回:7月7日 滋賀県立琵琶湖博物館フォーラム「魚食文化と水辺環境」参加
 13:00~ 開会挨拶(浅川)
 13:10~13:40 浅川滋男(鳥取環境大)「ナマズ食の文化史的再評価」
 13:40~14:10 川井 操(滋賀県立大)「地域資源を用いた建築改修-旧彦根藩足軽屋敷エリアの実践」
 14:10~14:40 橋本道範(琵琶湖博)「フナズシの洗練化をめぐって」
 14:40~15:00 楊 平 (琵琶湖博)「食用資源の利用をめぐってー水辺の環境形成」
 15:00~15:30 質問質疑、意見交換
 その後、近江八幡の「魚石」で鮒寿司などの川魚料理を試食しつつ、さらに意見交換

吉川なまず定食 埼玉県吉川市料亭のナマズ御膳(ノビタ取材)

第10回:7月20日 ナマズ捕獲活動(5)
 久しぶりに菖蒲地区で採集をおこなった。ナマズの姿は確認できたものの採捕はできなかった。この日参加した生物部2年生が大学近くの洞ノ川でナマズを見たというので、夕方、洞の川でも採捕を試みた。この地点は川幅がひろく、草が邪魔してサデ網が不向きであるため、4人(院生3人+学部2年1名)でタモ網漁をしたが、ナマズは採捕できなかった。その一方で、ヒバカリや20㎝ほどの大型カワムツを多数捕獲することができた。普段、生物採集をしていない院生2名は大物をタモ網で捕獲する快感を得ていた。

ナマズ標本P1170209 ナマズ標本P1170210 ナマズ標本P1170211 ナマズ標本P1170212

第11回以降:7月中旬~ ナマズ乾燥標本
 6月14日に捕獲し死亡したナマズの乾燥標本を作製した。魚類学ゼミの協力のもと、ナマズ2尾(62㎝・42㎝)を3日ほど塩漬けをした後、5日ほど乾燥させ、ナマズの乾燥標本とした。乾燥標本には表面にコーディング材を塗って、カビやほこりの対策をほどこした。この後、期末レポートとして、秋の学園祭の屋台で提供するナマズ料理レシピを各自考えた。東南アジアや中国のレシピを参照するものが多かったが、こういうレシピの場合、魚がナマズである必要はなく、素材の風味を感じられないので、やはり燻製や天ぷらのような素朴なレシピにすべき、という結論に達した。これで前期授業終了。

 今回の活動を通してナマズの採捕から薫製作りまでといったかつてのかつてのナマズの薫製作りの過程を追うことができた。最終的な目標である妻木晩田遺跡での炉上火棚でのナマズの干物を薫製にした保存食の作成が楽しみである。続く後期展開も記しておこう。(ジィチュアン)

9月25日:魚類学ゼミの川魚採集に参加
 魚類学ゼミが大路川(東大路地域付近)でおこなう水中電流漁に前期の履修生2名が参加。ナマズの採捕活動をおこなった。採捕方法としては背負い式の電気ショッカーを用いて、水中に電流を流し、魚を一時的に麻痺させて下流で捕獲する。こうした電流漁法は禁止になっているが、魚類学ゼミが特別採捕許可を得ておこなった。この日はナマズの捕獲はできなかったが、姿は確認することができた。また、20㎝程度のギギ(ナマズと姿が似ている魚。同じナマズ目の魚だが科が異なる)とギンブナを採捕した。


ナマズの天丼

後期プロジェクト研究「古民家カフェと郷土料理のフードスケープ」
(1)09月28日 オリエンテーション
(2)10月05日 ナマズの天丼試作-1年生
(3)10月12日 ナマズの天丼試作-2年生

学祭出店「東鯷人ナマズ屋」-ナマズの天丼弁当
10月14日: 土曜のナマズ天丼、爆売れ39箱!
10月15日: 激売れ50箱の日曜日!


《関係サイト》
1.東鯷人ナマズ屋 チラシ予告
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2672.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2674.html
2.東鯷人ナマズ屋 環謝祭
14日(土)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2678.html 
15日(日)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2679.html 
3.P2&P4「古民家カフェと郷土料理のフードスケープ」
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2671.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2680.html
4.ナマズ食に係る活動記録-2023年度前期「歴史遺産保全特論」
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2700.html
5.ノビタのなまず放浪記(1)ー埼玉県吉川
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2715.html

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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