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寧楽徘徊(Ⅱ)

極楽坊本堂 元文研展示


秋季特別展「菅原遺跡と大僧正行基・長岡院」

 2023年10月11日、教授宛てに封書で届いた元興寺文化財研究所(元文研)主催の令和5年秋季特別展「菅原遺跡と大僧正行基・長岡院」開催のご案内を拝見しました。卒業論文(中間報告はこちらを執筆するにあたり、菅原遺跡の発掘調査現場を直接みていないため(当時2年次)、特別展をみておかなければならないと判断しました。そして10月24日(火)、卒論ゼミの一環として元興寺法輪館を訪れました。展示の構成は以下のようになっています。

  第1章 明らかになった菅原遺跡
  第2章 円形建物の復元
  第3章 円形建物の性格
  第4章 行基の遺した建造物
  第5章 円形建物のその後

 以上の5章で構成されており、出土した遺物や発掘現場の写真に加え、周辺の関連資料などが展示されていました。展示を見ていると、元文研の所長が同じ部屋にいらっしゃることが分かり、教授は軽く挨拶に行かれたのですが、その後、結構な議論になってしまいました。この詳細はすでに報告されているので、繰り返しませんが、教授はとくに円形基壇端の大壁が「ありえない」ことと、多宝塔が奈良時代まで遡る証拠はない、などの懸念を所長に直接伝えられました。所長は初めて報告書の内容を知ったかのような素ぶりであり、正直なところ驚きました。


00興福寺町並み 1024興福寺01南円堂01


 元興寺の展示を見た後、ならまちの町並みを調査していたゼミ生と興福寺で合流しました。興福寺は以前に卒業生の玉田さんが菅原遺跡で卒業研究に取り組んだ際、院生の滅私さんも同行されており、以下のブログに詳細が記載してありますので是非ご覧ください。

行基縁りの地を往く(4)-土塔と八角円堂
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2475.html

興福寺北円堂ご開帳

 興福寺の南円堂(江戸時代)を見た後、北円堂(鎌倉時代初期)を鉄柵の外側から垣間みようと足を運ぶと、「令和5年 秋の北円堂特別開扉」の真っ最中であり、運よく北円堂の中に入ることができました。北円堂は中世の和様ですが、内法長押の内側には貫が隠されています。大仏様の技術を隠して用いることで構造を強固にしたようです。北円堂の八角仏壇には、本尊・弥勒如来坐像(鎌倉時代)とその両脇の無著・世親立像(むじゃく・せしんりゅうぞう、鎌倉時代)が安置され、四方に平安時代の木心乾漆四天王立像などを配しています。ふつう弥勒といえば菩薩ですが、北円堂では如来としてランクを一段上げています。インドや中国でこんなことがあるのか知りませんが、日本仏教ではあるということですね。


1024興福寺02北円堂03屋外からズームで撮影 1024興福寺02北円堂01全景
(左)屋外からズームで撮影 (右)北円堂全景


1024興福寺02北円堂04 1024興福寺02北円堂05看板


 日本に現存する八角円堂のうち、最も美しいと賞賛される北円堂の内部に入ることができたのは幸運でした。そして、鉄柵の内側にあってみえにく北円堂の回廊跡も目の当たりにしました。北円堂は回廊に囲まれた藤原不比等の供養堂です。聖徳太子の供養堂である法隆寺東院夢殿も回廊等で囲まれ、周辺境内から隔離されています。一方、多宝塔は回廊に囲まれることなく、大日如来などの尊格を祀る仏堂的な塔として独立しています。北円堂を体験することで、菅原遺跡はやはり行基の供養堂(八角円堂)として復元するのが妥当だろうという思いが強くなりました。


1024興福寺02北円堂02組物01 1024興福寺03中金堂記念撮影 興福寺記念撮影 ゼミ生記念撮影


平城宮大極殿院を訪ねて

 その後、大乗院庭園を経由して元興寺に戻り、車で平城宮跡に移動しました。まずは奈文研の遺構研究室を表敬訪問。教授は上海のお土産を渡されました。室長時代に秘書役を務めていた女性が居なくて、がっかりされてましたが、現スタッフの方2名が対応してくださいまして、雑談の花が咲きました。そこでたくさん資料をいただき、それをもって第一次大極殿院へ。教授はこの地区に対しても複雑な想いがあり、自らの歴史観と実際の復元事業との乖離をお聞きしましたが、その内容については、また改めてご自分で執筆されることと思います。
 夕暮れの平城宮で現地解散。一路鳥取をめざしました。(ウーネイ)


00平城大極殿01 00平城記念撮影01

《関係サイト》
大僧正行基の長岡院に関する継続的再検討《2023年度卒論中間報告》
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2675.html
行基と菅原遺跡に係る意見交換@松山(8月)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2686.html
《連載情報》 菅原遺跡報告書批評のための習作
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2684.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2706.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2707.html

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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