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古民家カフェと郷土料理のフードスケープ(3)

1026川の畔(1年)00カルピス01 ナマズ屋台景品3
学祭屋台投票第3位(ナマズ天丼)商品授与


用瀬の古民家カフェ「川のHotori」でプロジェクト研究(1年)

 10月26日(木)、第4回プロ研1年の活動として、用瀬の古民家カフェ「川のHotori」を訪問し、ミニ講義聴講と古民家スケッチの活動をしました。講義は、21日に上海で講演したばかりの「古民家再生の新機軸-過疎地に探る居場所のあり方」がプロジェクト研究の内容と関係深いので、そのまま使いました。スライドは中国語(一部日本語併用)ですが、ワードの日本語論文も配付したので理解できたはずです。課題の問は以下のとおり。

問1 講義「古民家再生の新軸線」について、以下の視点から内容を記述し、感想を述べなさい。
 (1)過疎地の「居場所」としての古民家もしくは再生古民家
 (2)古民家再生にあたって考えるべき真実性(オーセンティシティ)と快適性(アメニティ)との関係性
 (3)ブータン民家に露呈している有形文化と無形文化の融合
問2 古民家カフェ「川のHotori」を訪問した感想


1026川の畔(1年)02講義01 1026川の畔(1年)02講義02


おばあちゃんちのギャップ

 《問1》 大変興味深い内容の講義だった。古民家の需要の高さの意外性や、古民家での暮らしなど関心の高い部分はたくさんあったが、中でもカール夫妻の話が一番面白く、印象深かった。ドイツからわざわざ来日して、古民家を自らの手で改修して、なおかつ新しい古民家の形を作り上げていたことが、まず、日本人ですら執り行わないことをドイツ人のお二方がされていてとても素晴らしいと感じた。また、ただ古民家を改修したわけじゃなく、僕が一番に衝撃を受けたのがその場が過疎化しており、周りに人もいない中でそんな活動をされた結果周りに人を呼んだことである。お二人が作り上げた新しい古民家が新たな居場所としての需要を作り、その地域のみのコミュニティを生み出したことがとても衝撃だった。古民家の居場所としての役割に特に大きな影響をもたらしたのがまさしくお二人の新しい古民家に組み込まれた「真実性も残しつつ、快適性がとても高まった画期的な空間」であったと思う。古民家を改築するのにアメニティを高めるのは簡単だが、外見や内装がガラッと変わってしまうと、それは本来あったはずのその古民家特有のオーセンティシティが残ったとは言えない。逆にオーセンティシティを残しすぎると、本来の古民家はアメニティが高いとは言えないので、アメニティを向上させることができない。この難しい関係をうまく組み込めた、お二人にしか成しえないことだと思った。
 《問2》 古民家カフェ「川のHotori」の外装はまさしく古民家で、中に入るととても落ち着きのある雰囲気だった。講義をおこなった2階座敷の畳の感じや材木の組み方や障子の構成など、入ってすぐに感じたのは「おばあちゃんの家に来たみたい」だった。僕はこの感覚が古民家の良さだと思う。この感覚は恐らく日本の昔からある特有の家からしか感じ取れないと思う。改めて昔ながらの古民家の良さというものを「川のHotori」にきて実感することができた。しかし教授の言う通り、古民家のアメニティはそこまで高くない(畳からの立ち上がりや階段の上りにくさ、狭さなど)ことも同時に感じた。古民家カフェということで、和風の空間と洋風のメニューのいわゆるギャップというものを感じられて良い印象を受けた。(1年経営OY)


1026川の畔(1年)01夕暮れスケッチ01


1026川の畔(1年)01夕暮れスケッチ02建物01 1026川の畔(1年)01夕暮れスケッチ03背戸川と因美線


情緒溢れる場所でのコミュニケーション

 《問1》 「居場所」としての古民家もしくは再生古民家は落ち着く空間、情緒がある場所であることだと私は思う。例えば、囲炉裏をみんなで囲んで食事をしたり、団欒したりすることや、ブータンの民家であったように薪ストーブで温まったり、ピザなどを焼いたりして、そこでコミュニケーションをとれるコミュニティの場であることが「居場所」としての古民家もしくは再生古民家であることだと考える。古民家の中には重要文化財に指定されるものもある。それらは建てられた年代が分かっていたり、伝統的な造作になっていたりするものが多い。例えば、京都府南丹市美山の重要文化財「石田家住宅」では「慶安3年(1650)の墨書」が残っていたり、赤崎の「河本家住宅」では棟札が大量に残っていて、武家の様式「書院造」をよく保存している。このように歴史的真実性を保持するものを「オーセンティシティが高い」という。一方で、バリアフリーやユニバーサルデザインなどの快適性を向上させているものを「アメニティが高い」という。
 快適な古民家にはオーセンティシティとアメニティの両立が求められる。新潟県竹所に移住したカールベンクス夫妻の双鶴庵はオーセンティシティとアメニティのバランスが取れている最良の例だ。古民家の部材を露出させてオーセンティシティをアピールしつつ、ソファなどの家具を充実させアメニティを高めている。松代カールベンクスハウスも日本とヨーロッパのデザインが溶け合った重厚な空間が見事で、オーセンティシティとアメニティがバランスよく両立している。しかし、限界集落では、オーセンティシティのある自治体指定文化財になった古民家が資金面や後継者、雪や地震などの影響で保存が叶わず、指定解除にもなったりしている。こうならないために、最近では重要伝統的建造物群保存地区での町並みを守るために内部を改装し、外観を守ることもされているが、内部を改装した古民家で新建材を多用するあまり、アメニティが増す一方でオーセンティシティが失われる傾向も認められる。


1026川の畔(1年)02講義03


 ブータンは第4代国王ジグミ・センゲ・ワンチュクによってGNH(国民総幸福量)を優先する国づくりの宣言があった。ブータンの地方僻地の大半では市場経済が未成熟で、現在も自給自足の菜食主義を基本とする農家が多い。ブータン特有の木造建築空間のなかで、現地の蕎麦やマツタケを使った現地の料理を食べたり、母系の大家族も維持されている。土地神の信仰も盛んである。このように、食や住の文化、信仰の文化など、無形と有形の文化が本来あるべき姿として、複合的に現象している。その中でのオーセンティシティが肝要だと感じる。
 《問2》 最初の第一印象は古民家の前の川のせせらぎと、鉄道線路やその周りの草木が美しく、古民家の外観と相まって、情緒深い場所だと感じた。内装も素朴な美しさがあり、畳や障子、床の間など、日本風の造りで落ち着きのある空間だった。夕刻になると、屋内の橙色の暖かい光が窓から抜け、簾から漏れた光がより趣深さを引き立てたと思う。スケッチでは、最初スマホの写真を描くなどオーセンティックでがないことをしてしまったが、教授の指示で本物を描きなおした。古民家カフェは日本らしい真実性のある美学を感じさせてくれた良いところだと感じる。こういう空間でいただく品々もまた格別の味がするだろう。(1年経営SK)


1026川の畔(1年)00おやつ メニューサンプル


《関係サイト》
1.東鯷人ナマズ屋 チラシ予告
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2672.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2674.html
2.東鯷人ナマズ屋 環謝祭
14日(土)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2678.html 
15日(日)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2679.html 
3.P2&P4「古民家カフェと郷土料理のフードスケープ」
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2671.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2680.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2705.html
(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2708.html
(5)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2734.html#more
(6)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2768.html
(7)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2770.html
(8)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2775.html

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Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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