fc2ブログ

さよなら、みちくさの駅(5)

1214みちくさ01藤原01客席01 1214みちくさ10外観01


 12月14日(木)の「さよなら、みちくさの駅」送別講演会は、1・2年のプロジェクト研究「古民家カフェと郷土料理のフードスケープ」とも連携しており、その課題を開会前に通知しておいた(課題6)。締切は13日(水)だが、いつも一番初めにレポートを提出してくれるYS君から早くも課題が届いたので一番に紹介させていただく。

植林地を環境破壊と感じる感性

問1 「みちくさの駅」に係る動画と藤原店主の講和について感想を述べなさい
 今回の藤原さんのお話を聞いて「みちくさの駅」などの想いを学ぶことができた。私は、岡山県に住んでいて鳥取県に来るときに西粟倉村から北上しくる。そのときに、杉などの人工林(植林地)に囲まれていて緑がきれいな場所だと感じていた。しかし、藤原さんは子供のころは雑木林だったのに、Uターンしてみると植林地に変わっていた。植林は「環境破壊」という感想を語られた。昔は、秋になると紅葉がきれいで、子供ながらに感動するような景色が広がっていたが、植林地に変わったことで、年中緑が広がっているけれども、以前のような感動は得られらくなった。そういう残念な気持ちになるのも納得できた。こういった山間部にしかない魅力も年々環境の変化で減ってきてしまっているのだと実感できた。


1214みちくさ10外観02 1214みちくさ00ご挨拶02店主


 藤原さんは、福原パーキング周辺に「道の駅」を作ろうという地域の盛り上がりがあり、会社を辞めてUターンし、地元で活動してきたが、その計画が進展する見込みがないことを悟り、自らプチ道の駅として「みちくさの駅」を開業した。その行動力や想いがすごいと感じた。この「みちくさの駅」という名前から、「道の駅」になれないけど、小さな道の駅として活動しようとする想いが伝わってきた。今回初めて「みちくさの駅」に来て藤原さんにお目にかかったが、とても人柄がいい人なのだという印象を持った。実際に県外の都市の方からも訪れてくれる人がいることから、多くの人に愛されてきた店なのだと思う。そばカフェ「みちくさの駅」では、手打ちそばと漬物、半殺し餅を振舞っていただいた。手打ちそばは、手打ちならではの、しっかりした歯ごたえのあるそばでとても美味しかった。漬物は、ちょうどよい塩加減で食べやすく、ご飯やお茶漬けの添え物としたらさらにおいしいと思った。半殺し餅は、自慢の「えごまみそ」が辛すぎず甘すぎずちょうどいい味で、癖になるような美味しさだった。半殺し餅という名前の由来も、「半分潰す」から「半殺し」という面白いネーミングで印象的だった。店内の様子は、天井が広く木造でゆったりとした空間が広がっていた。食器は、白いシンプルな色合いに波のような線があるオリジナルの砥部焼(愛媛=奥様の故郷)で、どこか自然を感じるような優しいデザインだった。そういったところにも藤原さんのこだわりを感じた。この「みちくさの駅」は、藤原さんの想いや人柄の良さなどが作り上げたものなのだということを感じることができた。


1214みちくさ11内部02薪ストーブ01 1214みちくさ11内部01


狛犬・獅子の細部から作者を予測できるのはおもしろい

問2 駒井さんの講演「鳥取の石造物−獅子と狛犬−」について感想を述べなさい
 私は、神社などにある獅子や狛犬はどれも同じ見た目で代り映えのないものだと思っていたが、地域や時代によって姿形が異なり、奥が深い石造物だということに気づくことができた。獅子と狛犬の違いがあまりわかっていなかったが、立ち位置や口が開いているかどうか、角があるかないかなどの違いがあることも分かった。狛犬には型があり、座っている「座型」や構えている「構え型」に違いがあり、尾が広がっている「なにわ型」や「尾道型」など地域差に驚いた。岡山県に住んでいる私の印象は、地元の近くの神社では、構え型で尾が丸い狛犬をよく見る印象がある。これは、鳥取県西部の狛犬に多い特徴だということが今回の講演で理解できた。もしかしたら座型の狛犬も近くにあるかもしれないので、冬休みの初詣の際、少し意識してみてみようと思った。


1214みちくさ02駒井02講演10 1214みちくさ02駒井02講演01


 狛犬・獅子の数は1881~1910年に最初のピークが到来している。なぜこの年代に狛犬・獅子の石造物が増えたのか気になっていたが、後の話で狛犬・獅子が寄進される理由の一つに「軍事」があり納得した。この時代は、日清戦争(1894-95)や日露戦争(1904-05)に明け暮れていた。そのため、必勝祈念や武運長久のために多くの狛犬・獅子が寄進されたのである。このように、狛犬・獅子は地域だけでなく、時代によっても変化があるということがわかり、調べていて面白いものだと感じることができた。川六みたいに、足の爪の表現の仕方などの芸の細かさが石造物一つひとつにあり、狛犬・獅子の表現の仕方は自由度が高いものだと感じる。石造物細部の特徴から作者をある程度予測できるのはおもしろい。狛犬・獅子の石造物は、とても奥が深いものだと感じた。

移住条件として、生活の不便さと断熱効果が気になる

問3 廃業する「みちくさの駅」を住宅に再生し、移住する構想について どう思うか、率直な意見を述べなさい
 この移住構想は、以前教授の講演にもあったクンサン・チョデン夫婦と少し似ているところがあって、魅力的に感じる。しかし、課題点も多くあるので慎重に考えて実行することが必要だと感じた。一番気になるのは生活の不便さだ。先生の目的でもある「アトリエ兼書庫」としては独立した場所でゆったりとした空間が広がっており、活動拠点としてはとても好条件に感じる。しかし、実際に住むとなると不安に思う要素もある。教授も教授の奥さまも移動が大変に感じる頃になっていくと思う。そうなったときに、町の中心部から離れているのは、緊急時のことを考えると心配になる。バリアフリーの改装などは、あまり問題に思わないが、一つ気になるのが断熱効果だ。冬になると雪が降るということもあり、寒くなると予想される。実際に今回窓際に座って講演を聞いていたが、たまに冷たい風が入ってくる時があった。部屋の中を常に暖かい状態にするとき光熱費が多くかかるような気がする。他にも雪かきなどが大変だったり、怪我のリスクがある。結論として、生活の不便さ・大変さ(特に冬)、改装や光熱費などにかかるお金が大きな課題になると感じた。そのため、助けを求めれるような人を準備したり、冬はだれか呼んだり信頼できる人に少しの間預けるなどもいいのかと思った。ゆったりとした空間で活動拠点としてはいい場所なのでここをセカンドハウスにできればいいと感じた。(2年経営YS)


1214みちくさ12ウテ2名01 藤原さんプロフィール_page-0001
左:カウンター越しに福原と右手の交流 右:店主略歴


リプライ

 1.クンサン・チョデン夫婦と少し似ている: 海外留学から中央ブータンの故郷、ウゲンチョリンにUターンして作家活動を続けるクンサン・チョデン夫妻(夫はスイス人)よりも、新潟の限界集落「竹所」に住み着いて古民家再生に取り組むカール・ベンクス夫妻(妻はイタリア人)を引き合いに出してほしかった。
 2.移動が大変に感じる頃になっていくと思う。そうなったときに、町の中心部から離れているのは、緊急時のことを考えると心配になる: 山間部に住む人はみな同じ問題を抱えている。福原の場合、鳥取道智頭南インターに近く、そこに多機能ドラッグストア・コンビニ・ガソリンスタンドが集中している。さらに10分ほど北上すると智頭町中心部に至る。駅舎・役場・病院・スーパー・食堂などがある。妻の実家がある佐治と比べても、立地の割に利便性はさほど低くない。問題は豪雪等で孤立化した場合であり、食料・燃料等を常時ストックしておく必要がある。停電の場合でも、薪ストーブがいつでも機能するよう準備すべき。
 3.気になるのが断熱効果(略)。実際に今回窓際に座って講演を聞いていたが、たまに冷たい風が入ってくる: じつは別の人物(蕎麦愛好者)からも、「窓がペアガラスになっていない」ことを懸念材料として指摘された。カール・ベンクスさんは豪雪地帯の古民家再生の前提として断熱・暖房処理に気を配り、「ペアガラスの窓・厚さ10㎝の壁断熱材・床暖房」を施す。仮に「みちくさの駅」を購入することになれば、窓をペアガラスにするか、外側に雨戸を設ける改修を行うことになるだろう。また、新設する寝室にも床暖房処理を施すであろう。また、薪ストーブを最大限活用したいので、薪の入手ルートを確保しなければならない。駐車場の雪掻きも重労働だが、家内の実家では、地下水をパイプでくみ上げて駐車場に放水する融雪装置を設けており、非常に効果があった。そうした自動融雪装置も設置したい。多少の支出はやむをえない。
 4.ここをセカンドハウスにできればいい: ここ20年以上、奈良の自宅(一戸建)と鳥取のアパートを往復する生活を続けてきた。コロナ禍以降、家内を鳥取に呼び寄せ、常時生活を伴にしている。奈良の家はすでにモノが溢れていて、研究室収蔵図書の置き場所も作業空間もない。研究室の代わりとなる活動拠点が必要であるけれども、奈良の自宅はそのままとするので、新たな活動拠点は事実上のセカンドハウスとなる。春から秋にかけての天候の良い季節には鳥取を中心に活動し、雪で閉ざされる冬は奈良で活動する。そうした住み替えによる晩年の執筆活動を構想している。奈良と鳥取の往復は、車が運転できなくなると不便だが、智頭急行や高速バスを使えば、大阪との時間的距離は2時間余である。

《連載情報》さよなら、みちくさの駅
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2717.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2734.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2745.html
(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2746.html
(5)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2747.html
(6)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2748.html

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
--
魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR