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本家うだつの町並み-美濃市美濃町

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茶匠金森

 大徳寺真珠庵の庭玉軒は有楽苑如庵(二畳半台目)より小さい二畳台目だが、講義では千利休没後の「反利休」の一例として紹介している。内坪(うちのつぼ)を構えるからである。内坪とは閉鎖的な土間の玄関だが、利休はこれを取っ払い、露地からいきなり躙口を潜って小間の茶室に入るようにした。利休が廃した内坪を復活させたのは金森宗和である。庭玉軒では内坪に飛石・蹲踞・刀掛を取り込み、躙口を大きめにつくっている。利休好み二畳の息苦しさに抗う姿勢がうかがえる。宗和の茶室は公家社会で歓迎されたという。


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 宗和は京都隠棲後に剃髪した際の号である。実名は金森重近(1584-1657)。飛騨高山の初代藩主、金森長近の長男として生まれた。金森という氏名は、応仁の乱で活躍した大畑定近(後の金森定近)が一族ともども近江の寺内町、金森に住んでいたことに因むという。 長近は茶の湯の才にも秀でており、秀吉が伏見在城の時は伏見城下の自宅に書院と茶亭を造り、しばしば秀吉を招いた。千利休の弟子として茶会に招かれたり、古田織部とも交流があった。しかも、秀吉が利休に切腹を命じた時、利休の嫡男、千道安を飛騨高山に匿った。その時、重近(宗和)が、道安から茶の手ほどきを受けたという。 大阪の陣の直前、父長近が徳川方につくことで袂を分かち、重近(宗和)は京都に隠棲した。以上の生涯をみる限り、宗和は利休系の茶人であるとはいえるけれども、内坪はむしろ利休の師匠、武野紹鴎の四畳半茶室の形式を受け継ぐものである。


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洛中洛外図の世界-うだつの町並み

 重伝建「美濃市美濃町」は関ケ原の恩賞として加増された高山城主、金森長近がつくった四百年前の計画的都市である。ところが、金森氏は十年でお家断絶、この地は尾張藩領となった。結果として、廃嫡された息子の宗和(重近)だけが京都で生き残り、茶人としての人生を全うしたことになる。美濃市美濃町(重伝建1999)は「うだつの町並み」を売りにしている。あぁここもか、と誰しも思うであろう。代表的なライバルは徳島の重伝建「脇町南町」で、全国的には四国の方が有名かもしれない。しかし、脇町町家のうだつは、じつはうだつではなく、袖壁である。いま足繁く通っている大原古町の町家も袖壁が目立つが、こちらでは「うだつ」とは呼ばない。美濃町は違う。洛中洛外図にみる本物のうだつだ。隣家との境の火除け壁が屋根より高くにょきにょき突き出ている。かくいう私も、本物のうだつを初めてみた。金森の時代に屋根は瓦葺きではなく、杉皮葺きであったろうから、まさに洛中洛外図の世界であったと思われる。


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米屋のパン屋

 永保寺から小一時間走ったであろうか、美濃町に着いたものの、ともかく休みたい。まずはカフェだ。駐車場の対面にパン屋mom'sがあり、中に2席あったので腰掛け、さっそく「米のフォカッチャ」をセットで注文した。健康上、小麦は良くないが、米と蕎麦は許されている。菓子パンは厳禁なので、家内も米のフォカッチャを喜んでいる。店だなを眺めると、ほかにも米のパンをたくさん売っているではないか。じつは隣に米屋があり、「米屋がやってるパン屋」なのだと説明された。いいな、これ。鳥取でもできないかな。あれだけパティオに通ったボノスにもめっきりご無沙汰しているしね。冬のアルマーレも遠ざかったまま。菓子パン厳禁だから、蕎麦屋以外では、自ずとモスの菜摘みバーガーやライスバーガーに傾斜することになる(じつはエガチャンネルのせいだけど)。食後、本家うだつの町並みをぐるりとまわった。「呑み鉄本線 日本旅」の六角精児が前触れもなくがぶらりとやってきたという造酒屋にも入って、家内のために辛口を1本買った。旧帝国ホテル、如庵、永保寺とはまた違う良さを美濃町で感じてクリスマスの旅は終わりとなった。教材にできる写真がかなり増えた。あと1年だから増える必要もないのだが、良い旅だったと思う。


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左:米屋、右:パン屋

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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