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古民家カフェと郷土料理のフードスケープ(8)

0124発表会01 会場となった100講義室


大雪警報の発表会

 1月24日、早朝6時起床。窓外を覗くと、小雪が舞っていた。積雪3㎝。すでに大雪の警報は出ていた。これが特別警報に格上げされたり、公共交通が全休となれば、大学は休講になる。7時になって、大学のホームページを確認。休講掲示はない。この日はプロジェクト研究2/4の発表会であり、運悪くわたしたちの班の発表は朝一の9時からに割り当てられていた。8時過ぎに家を出た。用心のため2リットルのペットボトルに水道水を詰め、後部座席に転がしておく。これが夕刻、救世主になることを、そのときはまだ知らない。
 いつもなら15分以内で大学に着くのだが、スリッピーな路面に車は渋滞し、40分近い時間を要した。ただちに発表会場の100講義室へ。集合時間と決めた8時45分に教師自ら遅刻してしまったが、学生たちは自主的にプロジェクターの準備を進めていた。9時のチャイムがなり、聴講者数十名に対して、こう挨拶した。

   雪で大変な朝になってしまったけどね、能登半島の被災者に比べれば
   なんてことない。一所懸命準備してきたから、君たちも一所懸命聞いて
   ください。今日も元気に行きましょう!


0124発表会02石川02 0124発表会02石川01 石川出身学生は郷土の川魚料理を紹介した。長崎から加賀藩預かりとなった隠れキリシタンが謹慎地で食べるようになった泥鰌の蒲焼は今や石川のソウルフードになっているという。冬休みには「りんどう」という料理屋(左の写真)を再訪する予定だったが、大地震のため閉店しており、訪問が叶わなかった。


 発表は見事なものだった。先週のリハーサルとは打って変わり、みな流暢な語り口で、安心して聴いていられた・・・というのは教師側の感想であり、トリを務めた学生に訊ねると、「(緊張して)声がでませんでした」という。この学生の一家は神戸から丹波篠山に移住し、農業に従事しつつ古民家カフェを経営していたが、ある事情から店を閉めた過去がある。「みちくさの駅」の閉業とも関係するので、発表ラストの大役を果たしてもらった。明るい学生だが、発表後は少し神妙になっていたような気がする。いつも厳しい教師だけれども、この日ばかりは学生を褒めちぎった。


0124発表会05篠山02 0124発表会05篠山01 発表を締めた篠山出身の学生は重伝建「福住」のなりとぱんを紹介し、じつは実家も移住者として、その近くで古民家カフェを営んでいたが、閉業した理由などを報告した。若者の発表ながら、哀愁を感じる好演。

麻薬シェイクを車中でちゅるちゅる

 発表会には、院生滅私と4年ウェイチァンも駆けつけた。発表が終わり、少し休んだ後、11時半が近くなり、そば切り「たかや」へ行こうと二人を誘って車に乗る。雪は吹き降りになっていたが、積雪は10㎝程度であり、4駆なら問題ない。後部座席の滅私に確認した。ペットボトルが床に転がっているだろう、と。これが命綱になるんだ、と。
 そば切り「たかや」は閉まっていた。大雪警報の一日だから、個人経営の店は閉店もやむをえぬか。そこで車は放浪し、まもなくカレーのCoCo壱を探しあてる。カレーはあったまる。寒い日の昼食としては最高だ。そこから車はモスバーガーへ。CoCo壱から近い距離にあるのだ。家内に知られたら大変だが、いまがチャンスだと判断し、速攻でモスのドライブスルーに滑り込んで宇治抹茶シェイクのSを3個注文。暖かい車内でちゅうちゅうするシェイクは極楽そのもの。


0124発表会03関金 倉吉出身の学生は、関金の「渓流料理いわなや」を紹介した。12月から3月まで休業とのことで、新学期になったら訪ねてみようと思う。



 昼の走行は、これぐらいの雪ならいける、という自信を植え付けた。車体も暖まり、纏わりついた雪もいったん溶けている。午後からはゼミの日。こんな大雪なのに、みんな集まっていて驚いた。それぞれ卒論、修論、民話解題の作業に取り組んだ。窓際に座る学生に何度も訊ねる。雪はどう? 吹き降りはますます激しくなっているようだが、さほど深刻ではない返答が返ってくる。学生たちは早めに帰宅させた。スクールバスに乗るのがいちばんいい。わたしと滅私とウェイチアンだけは、少し暢気に構えて作業を続けた。昼間の走行で自信を深めていたからだ。


0124発表会04鹿児島01 鹿児島の古民家カフェはユニークだった。1軒は馬小屋を改修した「馬舎」。古いミシンをテーブルに転用するブリコラージュを含む。もう1軒は重伝建「麓」にある下層の武家屋敷をほぼそのまま活用した「耦祥庵」。思いっきり真実性に傾斜している。同じ重伝建でも篠山の蕎麦屋とは大違いの蕎麦屋である。


命綱のペットボトル

 午後7時、ひとり駐車場におりて愕然。積雪は30㎝を超えている。もちろん雪掻きをした。4駆の勢いで駐車場を出るも、大学前の交差点でブレーキをかけた瞬間、屋根に積もった雪がフロントガラスに雪崩を打って落ちてきた。ただちにワイパーを回転させるが、まもなく動かなくなった。そこからガソリンスタンドまで2~3km、ワイパー不動。雪はますます激しくなり、正面の視界がわるいまま用心して走るしかなかった。ようやくガソリンスタンドで、雪を払うが、ワイパーは動かず。ここでペットボトルを取り出し、水を注ぐと雪は溶け、ワイパーが動き始めた。朝用意しておいたペットボトル1本分の水が愛車を救ったのだ。
 そして帰宅。幸いなことに片側の隣の駐車スペースは開いていて、4駆の勢いで、突っ込んだが、中途半端な位置で車はとまったまま動かなくなった。ただちに車をおりて、スコップで雪を掻く。杖歩行者の家内にも支援を求めた。鉄製のスコップで雪書きするも、全然雪は減らず、車は思うように動かない。そこに若き救世主が現れた。2階の住人で、「いつも子どもがうるさくしているから」と謝意を示しつつ、スコップで雪を掻いてくれた。同じ人類の雄とは思えぬ力強さに溢れ、スコップで一掻きすれば、アスファルト面が現れる。歳の差か運動不足か、それとも、左脳の病気で右半身に軽い麻痺が残っているのか、ともかく、わたしが一掻きしても地面はみえない。救世主のおかげで、車の位置を調整し、家に入ることができた。
 おもしろいことに、杖歩行者の家内は「長靴もないのに」と嘆きながら、プラスチック製のスコップでこつこつ雪を掻き、歩道をつくっていった。わたしが完全にグロッキーして、もう掻けないと哭いて家に入って、リビングに籠ってもなお、雪掻きをやめようとしない。「あなたももっと掻いたほうがいいよ」とまで言われたが、心身ともに立ち直れぬ状態で、ソファに横たわり動けなくなった。夕食の支度など論外であり、昨夜の残りものを漁るだけ。朝いちばんで、「この程度の雪は能登半島の被災者に比べればなんてことない」と大言した男のオチがこのザマだったということである。


0124発表会06岡山 0124発表会07愛媛 岡山と愛媛はナマズ料理の伝統が深く、今も養殖によって、その伝統を継承しようとしている。この2県のパワポ・レベルは高かった。

《連載情報》P2&P4「古民家カフェと郷土料理のフードスケープ」
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2671.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2680.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2705.html
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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