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恵方巻に願いを込めて

0202加藤家01正面01


加藤家住宅からあたおかに物申す

 鳥取市で3番目の登録文化財「加藤家住宅」に研究室としてかかわったのは2009年度までだったと記憶する。『加藤家住宅の実験』(2007)、『加藤家住宅パンフレット』(2008)、『加藤家住宅の実験(Ⅱ)』(2010)という3冊を刊行している。いずれも本家LABLOGの時代である。あれから十数年ぶりに倭文(しとり)の旧加藤家住宅を訪れた。4年ウェイチアンの卒論で、登録文化財の再生例を提示しようとするも、良い例がなく、灯台下暗しで、自ら手掛けた加藤家住宅がいちばん良いと思ったからである。何が言いたいかというと、同じ文化財古民家でも、登録なら内装の改変は許されるが、重文(指定)だと一切許されないことを対比する例が欲しかったのだ。


0202加藤家04裏木戸01 裏木戸も学生の作品


 昨年8月、松山で菅原遺跡の検討会を終えた翌日、重伝建「内子」に立ち寄り、重要文化財「上芳賀家住宅」の土蔵カフェで休憩した。明治後期の土蔵造大邸宅で、主屋が重文というのは分かるけれども、それに付属する土蔵もすべて重文に一括指定されているから、指定対象は全て現状変更を加えられない。カウンターの女性によると、空調すら設置できないということで、内部は蒸し風呂状態になっていた。そのカウンターでみかんジュース1杯飲んだが、暑さに耐えきれず、早々に退出した。おかしなことだと思う。主屋がなく、土蔵だけ残っていたとしたら、決して重文には指定できなくて、おそらく登録文化財で落ち着いたと思われる。その場合、空調設置はもちろんのこと、大がかりな内部改装さえ許されたであろう。このあたりも、文化庁は枠組を改善していかなければならないね。主屋を重文として現状変更不可としても、付属の施設は準重文(登録文化財級)として介入可能(補助金あり)としてほしい。屋敷全体を考古学的標本とせずに、付属施設は再生可能にすべきだと思う。


20230821内子01上芳賀家土蔵カフェ02 20230821内子01上芳賀家土蔵カフェ01 重伝建「内子」の重文「上芳賀家」土蔵カフェ



0202加藤家02背面北01


 加藤家は、所有者が変わったらしいが、建築はほとんど何も変わっていなかった。振り返れば、これが、唯一の古民家再生作品になるのかもしれない。じつはもうひとりの卒論生のために、隅棟の撮影をした。隅棟と隅切瓦の部分をアップで捉えたところ、隅切瓦を使わず、熨斗瓦を普通の瓦の上に積みあげているだけであることが分かった。それでも、学生諸君の説明資料にはなったと思う。
 頭のおかしいお前らに告げる。隅切瓦の画像資料を示しなさい。小型瓦、普通サイズの軒瓦、西大寺系の瓦などはすべて、その出土位置を遺構図に落とし、分布図として示しなさい。お前らがやらないからうちの学生がやっている。ほかにもいろんな図表を作っている。このような基礎的作業を省略して、よくもまぁ記者発表ができたものだと思うぞ。


0202加藤家03背面南02隅01 0202加藤家03背面南01

 
 帰りには布袋の県指定文化財「木下家住宅」を軽く撮影し、近くのSマートに寄って恵方巻を5本買った。大学と自宅で一日早い節分を祝う。東北東をむいて恵方をがぶり、卒論・修論の成就を願った。


0202恵方01

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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