fc2ブログ

我们在澳門(3)

0310澳門06都市大学05記念撮影01b 0310澳門06都市大学05記念撮影01


マカオ都市大学との交流

 3月10日(日)午後4時前、タイパ島のマカオ都市大学(澳門城市大学)着。車を降りると、ただちに李孟順先生(創新設計学院助理教授)の出迎え。テイ君の指導教員だった方である。その後、王兪雅先生(同)もあらわれ、待機。二人とも台湾高雄の出身。建築史専攻ではなく、デザイナーだが、澳門の歴史的街区の再生にかかわっているようで、分厚い報告書を頂戴した。いきなり、「学生は15,000人」で「大学の面積が小さすぎる」と仰る。ポルトガルの高名な建築家、マニュエル・ヴィセンテ(Manuel Vicente)が設計した瀟洒な建築で、ゆうに環境大の3~4倍はありそうだが、小さいと言われると耳が痛い。1981年、東亜大学(UEM)として開学、2011年2月にマカオ都市大学(City University of Macau)に改称された。


0310澳門06都市大学03ギャラリー03 0310澳門06都市大学03ギャラリー02


 しばらく待つと、黄広副教授があらわれた。黄先生は文化財保護、とくに保存科学が専門で、上海の研究機関から引き抜かれたという。廊下や研究室の壁際をギャラリーにしていて、いろんな時代、いろんな国の遺物や絵画が展示してあり、説明していただいた。驚いたことに、チベット仏教タンカ(懸け仏画)のコーナーがあり、そのなかにボン教の絵も含まれていた。また、隋唐時代という小さな磚仏はみな龕におさまっており、玉虫厨子背面壁画の宝塔図を彷彿とさせる。大学の面積が小さいので、専用の博物館がつくれないと嘆かれていたが、こういう廊下や研究室を利用した展示もわるくないと思った。


0310澳門06都市大学01チベットボン絵画02 0310澳門06都市大学02隋唐仏01 0310澳門06都市大学03ギャラリー01 0310澳門06都市大学04中庭01


茨林囲の謎
 
 ありがたいことに、夕食にご招待いただいた。近代的なビルの2階にある飲茶の店。飲み物はお茶だけにした。飲茶なんだから、お茶だけが正しい。次々と小皿物、蒸し物、デザートがでてくる。「うましら~」を連発。茨林囲を話題に取り上げた。マカオ側は、茨林囲が日本人の居住区だと確信している。
 前日(9日)、黄杖記から聖ポール天主堂跡の脇道を上って反対側の「茨林囲」を訪れた。茨林囲は、豊臣・徳川政権に弾圧されたキリシタンが住み着いた場所だという伝承がある。聖ポール天主堂は1602~40年にイエズス会が建設したものだが、その彫刻などの製作に日本から逃れたキリシタンが参加したというのだ。茨木囲は古めかしい木造の姿を残す路地裏ではなかったが、八割以上の住戸が平屋建てである。一般に建物は低い方が古い。その軒と棟の下がったバラック風の建物は、幻覚囲の二階建て住戸とは根本的に異なる。建物の裏側に中庭もない。中華風ではない小型住宅群がそこにひろがっていた。もう一度言うが、これは中国住宅の伝統にないスタイルであり、たしかに日本の裏長屋群を彷彿とさせる。調査の価値はあると思った。


0309マカオ06茨林囲06街並み 0309マカオ06茨林囲06地図


0309マカオ06茨林囲01 0309マカオ06茨林囲02 0309マカオ06茨林囲03


 聖ポール天主堂の造営に日本のキリシタンが関与したのは間違いようである。天主堂の地下には日本人の遺骨も埋葬されているらしい。黄先生は、天主堂跡でみつかった人骨のDNA鑑定をすれば茨林囲のことも分かると仰った。たしかに、DNA分析で人骨に日本人が含まれることは判明するであろうが、その人たちが茨林囲に住んでいたとは限らない。(後代の)文献にそう書いてあるのだとしたら、可能性はもちろん高いかもしれないが、わたしが気になるのは建築の年代である。できれば木造部材の科学的年代測定をやったほうがいいと提案した。茨林囲の成立年代が17世紀前半に遡ることが分かれば揺るぎない根拠になるからだ。
 あとで気づいたことだが、遠藤周作の名著『沈黙』にも茨林囲は出てくるようだね。のちに篠田正浩やスコセッシが映画化もしているようで、気になっている。学生の卒論にするのはむつかしいかな。


0309マカオ06茨林囲04 0309マカオ06茨林囲05 0309マカオ06茨林囲06


飲茶の快楽

 王先生は武蔵野美術大に半年留学されており、少しだけ日本語を話される。大の日本贔屓で、松屋の牛丼が大好きらしい。王先生、李先生だけでなく、台湾人は日本旅行が大好き。LCCで行けば安上がりなので、何度も繰り返し日本に遊びに行くのだそうである。李先生も同じ。刺身・寿司、天ぷら・トンカツ・スキヤキの中でどれが好きかと訊ねると、スキヤキとのご回答。松屋の影響が大きいかもしれない。


【飲食5回目】タイパ島のビル2階の広東飲茶
0310澳門07飲茶01 0310澳門07飲茶02 0310澳門07飲茶03


 ウクライナ戦争で電気代が高くなり、日本の大学は研究費が足りなくて困っている、というと、「中国の経済、雇用はよくない」といいながら、「大学にはお金がある」と言われた。マカオ政府、都市大学は間違いなく、カジノで潤っている。埋立地へのキャンパス移転も視野にいれているらしい。このたびは突然の訪問ながら、大変篤いおもてないしをしていただいた。もちろん一番はテイ君の母校だからだが、昨年の上海講演が地味に効いていると感じた。夕食を終え、タクシーでホテルに戻る。テイ君との別れの時間を迎えた。まる二日、よく働いてくれた。感謝感激! そのころ彼は深夜10時キックオフのマンC対リバプールのことが気になって仕方なかったようだ。仏山市の下宿に戻り、画面に集中したらしいが、わたしたちのホテルで観戦は叶わなかった。


0310澳門06都市大学05記念撮影03 0310澳門06都市大学05記念撮影03


《連載情報》 我们在香港~澳門 2024年3月
 香港(1) ロンドンバス 飲茶
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2804.html
 澳門(1) 香港護照 セナド広場 公仔囲・光復囲・幻覚囲 義順牛奶 黄杖記
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2805.html
 澳門(2) コロアネ島(アンドリューストア・船人街・泓記・ザビエル教会) 英記茶荘  
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2806.html
 澳門(3) マカオ都市大学との交流 茨林囲(元日本人キリシタン居住区)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2807.html
 澳門(4) 媽閣廟 鄭家 セナド広場ライトアップ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2808.html
 香港(2) 出国 翡翠花園
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2809.html
《関係サイト》
1.テイ・ケンキン【修論】「小店の出自からみたマカオの多民族性に関する基礎的考察-言語・建築・フードスケープ」  *中間報告「マカオの景観保護と囲屋のリノベーション」 
 概要前編(2023) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2657.html
 概要後編(2023) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2664.html
 中間報告(2022) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2515.html            
2.魚谷侑磨【卒論】「マカオの小店街とエッグタルトの風景 -旧ポルトガル植民地の町並みとフードスケープ」 *中間報告「租界島マカオのエッグタルト-西洋食文化の中国への定着と変容」
 卒論概要(2022) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2521.html
 中間報告(2021) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2449.html             
3.スコットランドの寒い夏
(Ⅹ)福茗堂茶寮 http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-138.html  
4.聖誕澳門 2006年12月
(Ⅰ)スタバ タイパ島(ダンボ)
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-818.html
(Ⅱ)セナド広場 石敢當 媽閣廟 
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-819.html
(Ⅲ)廬家 媽閣廟 タイパ島(ガロ)
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-822.html
(Ⅳ)鄭家 媽閣廟 コロアネ島(アンドリューストア、船人街、ザビエル教会)
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-823.html
(Ⅴ)香港 土地廟
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-818.html
5.マンダリン・マカオ 2017年12月
(1)廬家 http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1437.html
(2)鄭家 http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1438.html
6.2021 いい加減に学ぶ中国語講座(澳門)
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2411.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2413.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2421.html
(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2425.html
(5)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2426.html

このほか歴史小説『薬研堀慕情-鮎の茶屋』のマカオ部分(Ⅶ~)もお楽しみください。
(Ⅶ) http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-1355.html
(ⅩⅧ)http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-1368.html

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
--
魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR