fc2ブログ

我们在澳門(4)

0311澳門08セナド01ライト02天主01b 0311澳門08セナド01ライト02天主02縦 聖ポール天主堂跡ライトアップ


媽閣廟-マカオの語源

 3月11日(月)、雨がいっそう強くなっており、朝はしばらくホテルで待機した。10時過ぎからまたカウンターで傘を借りて外へ出る。めざすは媽閣廟。マカオ(makau)という地名の起源に係る廟である。以前、本家lablogで詳しく考察したこともある。ここでは要約しておく。マカオは本来、アマカウ(Amakau)と呼ばれていたが、それをポルトガル人が聞きまちがえてマカウ(もしくはマカオ)と呼んだのが地名の始まりだと言われている。


0311澳門01マコ廟07 0311澳門01マコ廟01東 0311澳門01マコ廟01 0311澳門01マコ廟15線香


 アは完詞あるいは接頭辞ではなく、アマ(ama)が水神(女神)、水人、あるいは海を意味する言葉である。誰しも思いつくのは、日本のアマ(海、海女、天)であり、このあたりが環東シナ海漂海民文化の同一性を示唆している。その漂海民の一部がマカオの岬に集まった。拠点となる岬を「阿媽角」と呼び、そこに水神の祠を祀った。ここにいう「角」は日本語の「岬」あるいは「崎」に相当する。「角」の発音は、北京語では jiao だが、広東語では ko 。家舟に住む水人の拠点はアマコ(ama-ko)と呼ばれていた。19世紀になって、水神を祭る祠は道教と仏教の影響の下、寺廟に変身する。その廟は 「阿媽閣」と呼ばれた。 阿媽角に生まれた廟が阿媽閣である。閣もまた広東語で ko と発音する。そのころの水人が阿媽角もしくは阿媽閣を指してポルトガル人に「アマコ」だと教えたところ、ポルトガル人の聞き違えにより a が削除され、その地名をマコと覚え、それがマカウもしくはマカオに変化したと推定されている。余談ながら、日本との比較で思い浮かぶのは「尼崎(あまがさき)」という地名である。


0311澳門01マコ廟04縦 0311澳門01マコ廟09天后 0311澳門01マコ廟17正覚禅林02天后元君01 0311澳門01マコ廟18観音閣


 媽閣廟の祭神は媽祖(阿媽/水人の祖先=海の女神)である。この道教的な表現が「天后元君」、仏教的な表現が「観音」である。前者は大門に近い正殿、出口に近い正覚禅林の二ヶ所で祀られ、後者は最も高所にある観音閣で祀られる。


0311澳門01マコ廟16巌 0311澳門01マコ廟08 0311澳門01マコ廟05 0311澳門01マコ廟12岩


マカオの巌

 それにしても、雨である。ここ3年余り、院生との旅を10回程度経験したが、いつも晴天だった。不思議なくらい晴れたのに、2日連続の雨。雨には雨の日の良さがある。媽閣廟は3回目だが、今回雨のなかを全周して、ひとつ思いついたことがある。急峻な山の斜面に岩肌が露出しており、崖のくぼみなどを利用して堂宇が造営されていた。昨年11月25日の日本遺産《三徳山》フォーラム「崖と建築のヒエロファニー」で、台湾の留学生、陳彥伯さん(筑波大学)が取り上げた「台湾の巌(岩寺)と霊山」とはこういうものではないか、と推し量ったのである。


0311澳門02トスカナ01プリン01 0311澳門02トスカナ01プリン01東 0311澳門02トスカナ02内部01 0311澳門02トスカナ02外観01


ピザ・アンド・トスカーナ
 
 媽閣廟を離れ、セナド広場に向かう途中、世界遺産の鄭家大屋(屋敷)がある。そこを次の目的地としたが、途中、ピザ・トスカーナという洒落たレストランを発見。木造のインテリアで古風な匂いがしたので、入って休憩。卵プリンとアイス・カフェオレ(院生はエスプレッソ)を注文した。卵プリンは極上の味。牛乳プリンが広東庶民の味なら、この店のプリンはそんなレベルではない。院生の注文したエスプレッソは大正解だと思った。テイ君が不在になって何かと不便になったけれども、食生活の質は(申し訳ないが)向上した。少なくとも外国人にとっては嬉しい食の変化である。ただ、ひとつ厄介なことがあった。香港ドル、中国元が使えないのだ。現金ならば、マカオのパタカ以外は駄目。電子マネーならOKというので、今回の旅で初めてクレジットカードを使った。海外ではうまくいかないこともままあるが、成功して良かった。パタカしか受け付けないのはマカオ老舗のプライドだろうか。


0311澳門03鄭家03庁02卓椅01b 0311澳門03鄭家03庁02卓椅01


世界遺産「鄭家大屋」

 鄭家大屋も、これで三度目だと思う。清末(日本の明治)の大型住宅。建物が高い二階建。とくに二階の丈が高い。新しい証拠である。同じ世界遺産で同年代の盧家大屋(清末)と比べると、ポルトガル色が弱い。盧家のようなステンドグラスはないけれども、中国式家具のバリエーションは豊富で質が高い。
 一通りの見学を終えて、鄭家の入口に近いミュージアムショップに入った。静かなジャズが流れている。ピアノとギターとベースだけの音楽。音が少ない。ビル・エバンスだろうか。別のクールジャズだと思うんだが、ミュージシャンまではわからなかった。そのとき、お腹がごろごろなった。あれっと思い、ただちに厠の場所を訊く。いま歩いてきた道を少し戻らなければならない。二つ目の門を曲がって右に折れる。厠にたどり着いたが鍵がかかっていた。裏庭に出る門口があったので、急ぎ・・・・*+‘P+LO雉JHI%’’打((YF・・・・


0311澳門03鄭家01通路 0311澳門03鄭家02中庭



0311澳門03鄭家03庁02卓椅02b 0311澳門03鄭家03庁02卓椅02 0311澳門03鄭家03庁02卓椅03 0311澳門03鄭家03庁02卓椅04


 急死に一生を得てショップに戻る。院生に事情を話す。そこからの歩きが辛かった。中風の後遺症で歩行に苦しんででいた時期に戻ったようだ。苦しんで雨のなか、800メートル歩き、セナド広場の黄丈記へ。これまで食べた中華系食堂でいちばん美味しかったので、もういちど行こうと決めていた。麺と野菜と小籠包。美味いことは美味いのだが、お腹に不安があり、お尻がかゆい。
 食後、雨があがっていた。晴れ間がみえる。歩いて二分のところにある盧家大屋(世界遺産)は月曜休館であったが、門前まで行ってみた。


0311澳門03鄭家04中庭01 0311澳門03鄭家04中庭02 0311澳門03鄭家05BS01 0311澳門03鄭家05BS01東


挙動不審の男

 歩いてホテルまで帰った。ただちにシャワーを浴びて、全身綺麗にした。薬も飲んだ。正露丸と抗生物質の両方。いったい何が悪かったのだろう。さすが中国、中国のバイキングはアドレナリン。あとはただ横になった。休みたいという気持ちがとても強い。


0311澳門04黄杖03ライト 0311澳門04黄杖01東 0311澳門04黄杖01


 院生は挙動不審。一人どこかに出かけていった。テイ君から誰かを紹介されたとかなんとか・・・目覚めると、午後6時を過ぎていた。ものすごく眠い。なんとか奮起し、街に出た。夕食はおとなしく日本料理にしたかったが、まともな店がなく、「小路拉麺」という店で横浜ラーメンを食べた。若い中国人の客で賑わっている。その後、また腹がごろごろした。厠を探して北京水餃の店に入った。水餃子の餡はニラの塊。殺菌作用、滋養があると信じて腹にねじ込んだ。


0311澳門06小路拉麺01 0311澳門06小路拉麺02 0311澳門06小路拉麺03アップ 0311澳門06小路拉麺04


 ホテルに戻り、ひたすら眠る。院生はまたしても挙動不審。天主堂がライトアップされているといってセナド広場に出かけていった。9日深夜2時、テイ君と二人で外出したのを皮切りに、これで3度目。B地区の宿が近くにあるのか、囲の片隅の土地廟の暗闇のなかで傘をさしたまま縫ているのか?


0311澳門08セナド01ライト01 0311澳門07北京水餃01 (左)セナド広場 (右)北京水餃


 12日の朝まで断続的に眠り続けた。目覚めるたびに体力は少しずつ回復しており、胃腸も楽になっている。そこで、ようやく気が付いた。食あたりではなく、疲労性の腹下しだったのである。「けんびき」性の下りだ。バクテリアでもウィルスでもなく、疲労が蓄積すると、この症状になる。3月6日、高校生に講義した後、車を飛ばして、奈良に帰った。最近は長距離運転だけでぐったり、回復に二日以上かかる。その疲労が癒えぬまま、関空から香港に飛び、さらにマカオまで移動して、毎日広範囲に動き回った。思い起こせば、8日朝の近鉄西大寺駅で異変あり。関空への到着が遅れた。9日、10日と影を潜めていたものが、11日になって一気に露呈したのだと思う。12日になってもまだ眠い。眠ることで胃腸の状態は回復する。


0311澳門08セナド01ライト04 0311澳門08セナド01ライト03


《連載情報》 我们在香港~澳門 2024年3月
 香港(1) ロンドンバス 飲茶
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2804.html
 澳門(1) 香港護照 セナド広場 公仔囲・光復囲・幻覚囲 義順牛奶 黄杖記
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2805.html
 澳門(2) コロアネ島(アンドリューストア・船人街・泓記・ザビエル教会) 英記茶荘  
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2806.html
 澳門(3) マカオ都市大学との交流 茨林囲(元日本人キリシタン居住区)
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2807.html
 澳門(4) 媽閣廟 鄭家 セナド広場ライトアップ
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2808.html
 香港(2) 出国 翡翠花園
http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2809.html
《関係サイト》
1.テイ・ケンキン【修論】「小店の出自からみたマカオの多民族性に関する基礎的考察-言語・建築・フードスケープ」  *中間報告「マカオの景観保護と囲屋のリノベーション」 
 概要前編(2023) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2657.html
 概要後編(2023) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2664.html
 中間報告(2022) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2515.html            
2.魚谷侑磨【卒論】「マカオの小店街とエッグタルトの風景 -旧ポルトガル植民地の町並みとフードスケープ」 *中間報告「租界島マカオのエッグタルト-西洋食文化の中国への定着と変容」
 卒論概要(2022) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2521.html
 中間報告(2021) http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2449.html             
3.スコットランドの寒い夏
(Ⅹ)福茗堂茶寮 http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-138.html  
4.聖誕澳門 2006年12月
(Ⅰ)スタバ タイパ島(ダンボ)
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-818.html
(Ⅱ)セナド広場 石敢當 媽閣廟 
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-819.html
(Ⅲ)廬家 媽閣廟 タイパ島(ガロ)
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-822.html
(Ⅳ)鄭家 媽閣廟 コロアネ島(アンドリューストア、船人街、ザビエル教会)
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-823.html
(Ⅴ)香港 土地廟
http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-818.html
5.マンダリン・マカオ 2017年12月
(1)廬家 http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1437.html
(2)鄭家 http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-1438.html
6.2021 いい加減に学ぶ中国語講座(澳門)
(1)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2411.html
(2)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2413.html
(3)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2421.html
(4)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2425.html
(5)http://asaxlablog.blog.fc2.com/blog-entry-2426.html

このほか歴史小説『薬研堀慕情-鮎の茶屋』のマカオ部分(Ⅶ~)もお楽しみください。
(Ⅶ) http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-1355.html
(ⅩⅧ)http://asalab.blog11.fc2.com/blog-entry-1368.html

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

魯班13世

Author:魯班13世
--
魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カレンダー
03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR