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倉吉打吹山麓の歴史的風致に関する総合調査(Ⅴ)

D05デジカメアップ01←年輪測定用高解像度デジカメ


科学的年代測定のためのサンプル採取
 
 翌29日、星野先生の指導により科学的年代測定にふさわしい材のサンプル採取をおこないました。現場には早くから会長さん、I工務店の社長さんと若い大工さんが待機しておられます。これに星野さんと先生が加わるわけですから、現状で考えられる最強のメンバーが揃ったと言えるでしょう。もちろんゼミ生6名も全員参加です。
 まず8月6日に上端木口を雑巾がけした2本の外陣柱(E02・E05:柱番付図は こちら を参照)の鑑定から入りました。それまでの情報では一方がスギ、他方がクリかシイという情報を得ていたのですが、再度精査した結果、両材ともクリかシイであることが判明し、年輪年代測定からオミットされました。年輪数は多い(辺材に相当する部分はなし)ので、放射性炭素年代測定の対象とすることになったのですが、雑巾掛けした上端木口面にはなお埃が詰まって年輪がみえないため、若い大工さんが鉋と鑿を使って年輪をみえる状態にしました。この削りだしたチップは樹種鑑定のサンプルとなりました(↓右)。年輪測定はユートとポールが担当。

   E05柱上端 直径440 残存総年輪数78(1~3年 39~41年 77~79年)でチップを採取(↓)


0829長谷寺2 E05サンプル01材種01


 長谷寺本堂の床上柱にはスギ材を多用しており、年輪年代学の適用が期待されましたが、E02とE05以外では木口がみるものはなく、いったん柱材を諦めて小屋裏に上がり、おもに水平材を観察しました。その結果、内陣の束を受けるD04~B04上の土居桁がマツ材ながら辺材を残す太鼓落の材であることが分かり、この材の木口(外陣側)
でもサンプルを採取しました。担当はケントとユーリー。

  D04上土居桁 残存総年輪数62(1~2年 31~32年 61~62年)でチップを採取(↓)


0829長谷寺1 0929サンプル01



 一方、床下では、やはり柱材に「辺材」相当部分を残す材がなく、比較的直径が太く年輪を多く残しているF02の金輪上でAMS用のサンプルを1点採取しました。また、E03-D03上の大引材は樹皮を残しており、正確な伐採年代がでる可能性もあるのですが、転用材とみなされるため、移築年代ではなく、創建年代を反映する可能性があります。


F02床下柱01 F02床下柱02縦
↑F02床下柱金輪上いちばん外の年輪 ↓E03-D03大引樹皮直下
E03-D03床下大引01樹皮直下 E03-D03床下大引02樹皮直下



D05サンプル採取01


 こうして4ヶ所でウィグルマッチとAMSのサンプルを採取したが、年輪年代学を専門とする星野先生を招聘しているわけだから、なんとかスギ材の年輪を測定したいということで、D05柱材の上面を高解像度デジカメで撮影することになった。すでに述べたように、スギ材の柱で上面木口がみえるものはないのだが、D03-05の柱筋には平成の新しい板材が上面木口を覆っているので、この新材をバールでめくり、内陣の角にあたるD05の上面を撮影することになったのである(↑)。星野先生によると、年輪数が少ないので期待しないでほしいとのことだが、正直なところ、期待に胸を膨らませている。
 D05柱上面については、AMS用にいちばん外側の年輪部分も採取した。

 以上、ウィグルマッチ3ヶ所、AMS2ヶ所、年輪年代1ヶ所の計5つのサンプルを採取もしくは撮影した。1週間後、先生はD04上土居桁(ウィグルマッチ)とF02床下柱(AMS)の2サンプルを業者に送付された。今後、経費に余裕ができれば、さらにサンプルを送付する予定だという。(白帯)

  
D05サンプル採取02AMS D05サンプル採取03AMSラベル
(左)D05柱上面のAMSサンプル採取位置 (右)同左サンプル

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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