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仏堂スケッチに感謝(Ⅱ)

2-1127044九品院玄忠寺 【玄忠寺】


鳥取市内寺院本堂の様式を読み解く

 昨日お知らせしたように、わたしの手元には40枚の寺院本堂スケッチが集まっている。うち2枚は京都の本願寺と東福寺であり、他の38枚は鳥取県内の寺院本堂であり、その90%以上が鳥取市内に所在している。
 スケッチを眺め、構造形式と細部のチェックをしていると、鳥取市内寺院本堂の特質がつかめたような気分になった。昨年までは集まるスケッチの数が少なく、一定の傾向を読みとりうるだけのサンプル数に達していなかった。今年は、スケッチなし写真ありのレポートを加えれば、サンプル数は50を超える。50枚のレポートを読んで気づいたことを箇条書きしておこう。

 1)本堂本体部分の組物は大斗肘木か舟肘木で、桁天のりの場合もある。平三斗以上の例はほとんどない。
 2)本体は1間ごとに柱を立てているものが多く、その場合、中備はない。柱間が1間半以上になると、間斗束
   を立てる。木鼻のない例が少なくない。
 3)軒は一軒、平行垂木が圧倒的に主流。
 4)以上の特徴は庫裡と共通するところが少なくない。ほとんどが畳敷きの仏堂であり、庫裡の様式を
   格式化しているような印象を受ける。花頭窓をはめるのは3割ぐらいか。
 5)向拝はやや派手につくる。組物は三斗組(稀に連三斗)で、中備は蟇股、木鼻は動物彫刻が多い。
 6)向拝には海老虹梁を使い、礎盤に几帳面取角柱を立てる。
 7)皿斗は大斗の下側に作りつけで多用する。挿肘木も虹梁の受けとして使う。海老虹梁・礎盤は禅宗様、
   皿斗・挿肘木は大仏様であり、他は和様なので、賑やかな折衷様になっている。
 8)つまり、本堂の本体部分は(花頭窓を除けば)庫裡のように大人しい一方で、向拝を折衷様にして
   派手にみせる。寺院の意匠を向拝に集中させてアピールしている。
 9)ただし、以上は大火後に再建された明治以降の寺院本堂に顕著な傾向である。 


【龍吟寺】2-1137006龍吟寺

【深相寺】2-1137027深相寺


【妙圓寺】2-1137018妙圓寺

2-1137043極楽寺
【極楽寺】(倉吉)↑↓
2-1137043極楽寺01

【光明寺】2-1137057光明寺

【長通寺】2-1137073長通寺

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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