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サテンドール(ⅩⅩⅠ)

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珈琲の樹

 先週末、近所の「ポーズ」がちょっとだけ位置を変えて新装開店していることを知った。午後4時5分に入店したところ、「日曜日は4時までです」と可愛ゆく微笑まれ、しばし立ち止まり、にわかに退散したのです。
 捲土重来。24日(金)のカフェタイムに再訪し、ベランダでのんびり珈琲を啜る。目の前のため池では鴛鴦が泳ぎ、その横の田んぼでは藁積みからほのかな煙が立ち上っている。
 新しいレストランはいかにも建築家が設計した風の建物である。音楽はJazz。JBLのスピーカーが縦2段に積み上げられ、その横にプレーヤーがおいてあるから、LPをまわしているのかと期待したが、音はそうではない。美貌のマダムによれば、

  「主人がオーディオ好きなんですけど、あのプレーヤー壊れてるんです」


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 よく考えてみると、プレーヤーが機能しているなら、スピーカーを縦に重ねないわな。残念なことだけれども、我らがバップはパソコンに接続された小型のスピーカーから流れていた。0と1の世界である。

  「前の店ではニール・ヤング流してたでしょ・・・今度はジャズ??」
  「はい、それも主人の趣味なんです」

とやや冷めた反応。思い切って「ベイシー」に話題を転じてみたのだが、まるで関心なし。「料理が忙しくて、音楽どころじゃないのよ」って顔つきでした。「この人も主人と同じ類型の男なんだわ」という諦め顔のようにもみえた。

 ベランダでとても気分のよい時間を過ごしたものだから、2日後の日曜日にもランチタイムに訪れた。とても暑い秋日和で、またベランダのテーブルに腰かけた。ランチはまぁまぁ。カフェセットを★★★★とすると、ランチセットと音楽は★★★かな・・・ 患者と話し合った結果、「サテンドール」の洋食が一枚上という評価に落ち着いた。ただし、環境は★★★★★の最高点、建築は(やめとこう)
 ベランダはこの日も最高だった。ため池の波に反射する陽光の揺らぎをみているだけで気持ちが落ち着く。もう少しこの場所にいたくなるのだ。おかげで、デザートを注文した。前回は赤紫蘇ジュースを追加注文したのだった。うまい仕掛けになっている。


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 旧ポーズの建物は「セレクト」という名の雑貨屋に改装されている。珈琲の樹を植え替えるための鉢を探しているので、ひやかしてみることにした。オーナーは建築家で、この日は不在。売り子は家具デザインを学んだ若い女性である。陶芸家の鉢や器がいくつも陳列されており、動きたくなくなった。おまけにテーブルにはフランク・ロイド・ライトの『自然の家』を発見し、ライトやコルブュジェやミースなどの古典的大家が好きなんだと告白すると、「古本で買ったんですよ」と言ってライトの著作集が山ほどあらわれた。どうもライトづいているな・・・
 結果、店にあるいちばん大きな鉢とものすごく小さな片口を買った。さんざんおしゃべりをしてしまうと、お金を落としていかなきゃいけないという義務感にかられる。こうみても、わたしは人が良いのです。

 ちなみに、珈琲の樹は「ペパーミント」の主人がくださったものだ。下の右が1年前、左が最近の苗である。ペパーミントには背丈ほどもある珈琲の樹が鉢植えにしてある。赤い豆が成り、その豆を土に埋めると、ニョッキと芽吹いて写真のようになる。
 来年は我が家の樹も実がつけてほしい。


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↑左の鉢が陶芸家の作品。夏は外に出しておきますが、もう室内栽培の時期です。

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魯班13世

Author:魯班13世
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魯班(ルパン)は大工の神様や棟梁を表す中国語。魯搬とも書く。古代の日本は百済から「露盤博士」を迎えて本格的な寺院の造営に着手した。魯班=露盤です。研究室は保存修復スタジオと自称してますが、OBを含む別働隊「魯班営造学社(アトリエ・ド・ルパン)」を緩やかに組織しています。13は謎の数字、、、ぐふふ。

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