続・わたしの寅さん


葛飾柴又への旅
わたしの寅さん熱はいっこうに衰えず、先日の関東出張では、葛飾柴又まで足をのばしてしまいました。上野から京成を乗り継げば半時間足らずで柴又の駅に着きます。
あぁ、ここでさくらはいつもあんちゃんを見送りしていたんだねぇ。
帝釈天への参道はとても短い。が、そこにはいかにも日本らしい門前町が残っています。もちろん「とらや」に入って草だんごをいただきました。この店で4作目までロケがおこなわれていたそうです。山田監督が復帰した5作目から大船撮影所のセットに移ったらしい。
出来たての草だんごを身内に送りたいと思い、クール宅急便はないか、と何店かで訊ねたのですが、いずれも渋い顔をされました。草だんごは出来たその日が賞味期限だということです。その伝統にこそ敬意を表さないといけませんねぇ。
ほかには江戸川で取れた川魚の佃煮の店、うなぎの食堂、漬け物屋、煎餅屋など昔なつかしいお店が軒を連ねています。ビニールやセルロイドのまやかし物ばかり売ってる浅草などとはえらい違いだ。今回の滞在は40分ばかりでして、江戸川まで足をのばせなかったので、必ずもういちど、ゆっくり訪問したいと思います。

上野でやぶ蛇
それはさておき、上野ではとんだ薮蛇・・・滅多にしないことをやるもんじゃありませんね。こともあろうか、娘に電話したんです。期待してたわけじゃないんだけど、遠くにいるから行けないわ、ということで一件落着。ホテルでのんびり休んでいると、こんどはむこうから電話をかけてきた。「じつは彼氏と一緒にいるんやけど、彼氏が挨拶したいって言ってるの・・・」。
はたして、一時間ばかり3人で食事をしました・・・焼酎3杯で酔っ払い、寅さんばりに「テメ、このタコ~~」の大乱闘・・・にはならなかった。焼酎3杯でとめる自制心がいまのわたしにはあるのです、ははは。




BS17の「土曜は寅さん」も19回まで進みました。少々コメント。
第16作「葛飾立志篇」(樫山文枝): マドンナは大学考古学研究室の助手。教授の小林桂樹にプロ
ポーズされる。この考古学教授のモデルは林謙作さんではないかな? 「学問とは」「考古学とは」
と問われるシーンが何度かでてくる。寅さんが田舎の和尚の受け売りで「(学問するのは)己を
知るため」と答えると、マドンナ心酔。学問にのめりこむと「己を見失う」ことのほうが多いと
思いますがね・・・
第17作「寅次郎夕焼け小焼け」(太地喜和子): マドンナは龍野の売れっ子芸者。太地のオーラが
凄まじい。マドンナ歴代ベスト5確定? 若尾・岸・吉永・竹下に太地か・・・浅丘リリィより
も太地の芸者に軍配だ、わたしの場合。宇野重吉+寺尾聡親子の競演もみものです。
第18作「寅次郎純情詩集」(京マチ子): マドンナは病魔に冒された未亡人。満男の先生(檀ふみ)
の母。寅さんは娘→母の順に惚れます。京マチ子の存在感が際立ってますね。
「愛と死をみつめて」バージョン。寅さんでマドンナが死ぬのはこれきりでは??
第19作「寅次郎と殿様」(真野響子): 嵐寛壽郎が伊予大洲藩主の末裔役で奮闘。おかげで
マドンナの出演時間が短く、少々フラストレーションが溜まります。寅さんが思いを寄せることを
知らないままマドンナにふられる原型パターンです。若尾や岸は寅さんの心情を知りながら丁寧に
断わる女性、吉永や長山は知らないまま寅さんが消えてしまったので、右往左往する女性を
演じています。真野響子は大原麗子(マドンナ2回)と似ているが、大原ほどの薄幸感はない。
二人ともキアラに似ているので驚いた。
BS17の録画と併行して、おもに晩期の作品をレンタルしてたんですが、この週末、とんでもない代物に出会いました。おそらく卒業生1名の人生を狂わせてしまうでしょう。
